2006-07-01から1ヶ月間の記事一覧

『こころ』大人になれなかった先生/石原千秋

夏目漱石が現代の主婦に転生するという宮藤官九郎の衝撃の昼メロ「吾輩は主婦である」も今週で終わりで残念ですが、これは夏目漱石『こころ』を叙述ミステリとして読むとどう読めるかという「読み」のマエストロによる評論。 「先生」から「私」にあてられた…

「ニート」って言うな!/本田由紀 内藤朝雄 後藤和智

「レンタルお姉さん」などで「ニート」と「ひきこもり」をほとんど同義として使うやり方には違和感を覚えた。本田氏の論考は企業の求人要請の縮小と変化をわきにおくかたちで、若者の対人関係の問題や内閉性をやり玉に挙げる「ニート」言説への批判を行って…

フラッタ・リンツ・ライフ/森博嗣

「スカイ・クロラ」シリーズの第4作。やっぱり新書化されてからマンガつきでみたいと思ってしまいます。フラッタ・リンツ・ライフ―Flutter into Life森 博嗣 中央公論新社 2006-06売り上げランキング : 1388Amazonで詳しく見るby G-Tools関連商品 モリログ・…

乱鴉の島/有栖川有栖

孤島もののミステリです。作者の着想は見えちゃいましたが、これを生かすにはもう少し雰囲気がないと。犯人あての部分に関してはううん・・・という感じ。乱鴉の島有栖川 有栖 新潮社 2006-06-21売り上げランキング : 293Amazonで詳しく見るby G-Tools関連商…

学校臨床ヒント集 スクール・プロブレム・バスター・マニュアル/若島孔文 編著

家族療法、短期療法などの考えをもとにした、スクールカウンセリング運営に関するヒント集です。 ちょっと気になったのは第11章。統合失調症が疑われる高校生をいかに医療機関につなげるかという事例が載っているのですが、親に受診をしられたくないと学生が…

アイデンティティの権力/坂本佳鶴恵

アイデンティティの権力―差別を語る主体は成立するか坂本 佳鶴恵 新曜社 2005-04売り上げランキング : 104193Amazonで詳しく見るby G-Tools関連商品 脱アイデンティティ モダニティと自己アイデンティティ―後期近代における自己と社会 自己と他者の社会学 繋…

逆説の日本史13/伊沢元彦

逆説の日本史 13 近世展開編江戸文化と鎖国の謎井沢 元彦 小学館 2006-06-02売り上げランキング : 1050Amazonで詳しく見るby G-Tools関連商品 逆説の日本史〈12〉近世暁光―天下泰平と家康の謎 逆説の日本史〈11〉戦国乱世編―朝鮮出兵と秀吉の謎 英傑の日本史…

哲学者エディプス/ジャン=ジョセフ・クロード・グー

よーくソポクレスの「オィディプス」を読んでみたら、フロイトがいっている「父を殺し、母と交わる」願望と、この戯曲を結びつけることの不自然さがわかるはず。 小此木先生が精神分析辞典のエディプス・コンプレックスの項でも書いていたけれど、少年愛の果…

バイオレンス 攻撃と怒りの臨床社会学/湯川進太郎

【購入数】★★★★ ここらへんのテーマで卒論、修論書こうとしている人には必読書でしょうね。バイオレンス―攻撃と怒りの臨床社会心理学湯川 進太郎 北大路書房 2005-09売り上げランキング : 141480Amazonで詳しく見るby G-Tools関連商品 攻撃の心理学 「日本人…

心理学史の新しいかたち/佐藤達哉 編著

第8章 C.R.ロジャーズにみる臨床心理学と精神医学の相克 ロジャーズがシカゴ大学カウンセリングセンターの所長を務めていたときに、同大学の精神医学科から違法な医療行為を行っているとしてセンターの閉鎖を要求されたときの学長への反論の文章が掲載されて…

パーソナリティ障害の診断と治療/ナンシー・マックウィリアムズ

本題とは関係ないけど、ヒステリー性パーソナリティの事例として、ロックバンド「シルバーヘッド」のマイケル・デ・バリスの奥さん(伝説のグルーピー)が挙げられてます・・・またDavid Allen なんてセラピストもヒステリーについて書いているようですが、当…

リピート/乾くるみ

時空の裂け目に飲み込まれることで時を遡る現象「リピート」。謎の男に招待されて時空を遡った十人の男女が一人一人死んでいく・・・リピート乾 くるみ 文藝春秋 2004-10-23売り上げランキング : 174947Amazonで詳しく見るby G-Tools関連商品 イニシエーショ…