2012-10-01から1ヶ月間の記事一覧

「森薫拾遺集」

森薫拾遺集/森薫 何か読む順番がおかしいんですけど「エマ」、「乙嫁語り」のマンガ家さんの作品を初めて読みました。最初からメイドと眼鏡萌えなのですね。 途中なんだか高橋葉介っぽいなと思ったら、後書きコミックでちゃんと影響受けたと書かれてました…

「ダイアローグ:精神分析と創造性」/「ソローニュの森」

ダイアローグ:精神分析と創造性/前田重治・北山修 ぼくらが大学院生の頃は九大の精神分析の先生といったら前田先生だったんだけど、その後を北山先生が継がれたんだよね。 これはそのお二人を講師に招いた講演と対談本。 北山先生は音楽界と精神分析界、両…

銀河鉄道「植物園」駅

銀河鉄道「植物園」駅/浅井慎平 植物園の原色の南国の花たち。なぜかマリリン・モンローっぽい裸婦の銅像が紛れ込んでいたりして。銀河鉄道「植物園」駅浅井 慎平 誠文堂新光社 1997-09売り上げランキング : 922504Amazonで詳しく見るby G-Tools 10月28日の…

「カストリ時代―レンズが見た昭和20年代・東京」

カストリ時代―レンズが見た昭和20年代・東京/林忠彦 終戦直後の、まだ日本がアジアだった頃の雑踏と混沌をとらえた写真集。自殺直前の田中英光とか、汚部屋の中でこちらを見上げる坂口安吾とか文士たちの写真も面白い。カストリ時代―レンズが見た昭和20年代…

「かくも水深き不在/竹本健治」

精神科医天野不巳彦を共有点としてつながる5つの短篇。いくつかの作品を連想。何かおさまりの悪い読後感だけど、それが作者のねらったものかな。かくも水深き不在竹本 健治 新潮社 2012-07-20売り上げランキング : 247484Amazonで詳しく見るby G-Tools関連商…

「ポイズン・ママ―母・小川真由美との40年戦争」

ポイズン・ママ―母・小川真由美との40年戦争/小川雅代 細川孝之と小川真由美という有名俳優を両親に持つ著者が訥々と綴る機能不全家族の内幕。巻末にある赤ん坊の著者を見つめる母親小川真由美のポートレイトが悲しい。ポイズン・ママ―母・小川真由美との40…

「謎(リドル)の謎(ミステリ)その他の謎(リドル) 」

謎(リドル)の謎(ミステリ)その他の謎(リドル) /山口雅也 「女か虎か」みたいなリドル・ストーリー集。「女か虎か」のサロメバージョンも入ってます。だけど、リドル・ストーリー集ってことは結末はあらかじめわかっちゃうってことで、技法をこらしたわりに…

「震災離婚」「三つ目の夢二 1」

「震災離婚/三浦天紗子」 震災婚っていう本も出てましたが、統計的には震災で特に結婚も離婚も増えてはいないようですね。 ただ震災が人間の絆を深めるかというと、やはりどちらかというと人の心をばらばらにする作用が強いんじゃないかと感じています。 ぼ…

「物理のしくみ」

物理のしくみ/小暮 陽三 小暮 満寿雄 八十を超える物理学者と息子のイラストレーターのコラボ本。内容的には物理と言うより相対性理論・量子論ですね。合間に描かれる家族のエピソードもいいですね。[マンガでわかる]物理のしくみ小暮 陽三 小暮 満寿雄 PHP…

「治療の聲 第13巻1号〈特集1〉東日本大震災:新たなる臨床の風貌〈特集2〉災害と精神医療:神戸=東北ホットライン〈特集3〉討論:サリヴァンのエンパシー概念の深みへ」

「治療の聲」に「サリヴァンの情動連動 empathyとテレパシー」を執筆しました。他の特集も非常に面白そうです。ぜひともおかいあげくださいませ。 星和書店/年1回刊 治療の聲 最新号 治療の聲 第13巻1号〈特集1〉東日本大震災:新たなる臨床の風貌〈特集2〉…

「わたしもパズルのひとかけら(アスペルガーの心)」「どうぶつ家族」

わたしもパズルのひとかけら/フワリ 著者はアスペルガー当事者の小学生。9歳になる少し前に診断告知されて1ヶ月後にこの本を書いたとのこと。すごいセンスと言語能力だと思います。この力がうまく生かされていくような社会をつくっていかないとね。わたしも…

「ニッポン春画百科」

ニッポン春画百科 上・下/オフェル・シャガン イスラエル人である筆者が収集した春画コレクション。上下二巻本で、正直春画にこれほどのバリエーションがあると言うことにびっくりした。馬鹿な日本人は明治期に何万枚と春画を焼き払ったけれど、一方で見る…

「アクア―高砂淳二写真集」/「お花畑―北アルプスの花園を訪ねて/花畑日尚」

アクア―高砂淳二写真集/高砂淳二 イルカくん海を泳ぐ。アクア―高砂淳二写真集 (TOUCH BOOKS)高砂 淳二 小学館 1995-04売り上げランキング : 27460Amazonで詳しく見るby G-Tools お花畑―北アルプスの花園を訪ねて/花畑日尚 花畑って言葉ではしっていても見…

「よみもの無目的」

よみもの無目的/赤瀬川原平 超芸術トマソン系の町の無意味な一コマ。「ボケて」とかに慣れるともう説明がくどくて読めないね。よみもの無目的赤瀬川 原平 光文社 2001-03売り上げランキング : 1010596Amazonで詳しく見るby G-Tools関連商品 超芸術トマソン …

保健管理研究集会/「東京を記憶する」

保健管理研究集会 保健管理研究集会で神戸に出張中です。神戸大出身の山中先生のiPS細胞に関する講演がある予定でしたが、ノーベル賞受賞のため急遽ビデオレター+代演に変更。でもホットな話題で面白かったです。 終了後は神戸の精神医療関係者のみなさまと…

「花よ 花よ」

花よ花よ/かわしまよう子 名もないような草や花の写真集。だけどみんな名前はあるんだね。 著者紹介の文章の 2000年に「花だな」と思い、公務員を退職。 ってなんかいいね。花よ 花よかわしまよう子 雷鳥社 2011-07-06売り上げランキング : 814509Amazonで…

「Self‐Reference ENGINE」

Self‐Reference ENGINE/円城塔 「屍者の帝国」を読むための準備運動。「道化師の蝶」は随分小説としてうまくなっているけど、こっちのほうはなんかこう原石という感じですね。 さまざまな断片からなる長編なのですが、祖母の家を解体したら床下にフロイトが…

「野生からの伝言」

野生からの伝言/竹田津実 北海道で獣医師を営む著者の自然との関わりを写真と文章で。人間と自然の共生の難しさを実践の中から語る。野生からの伝言竹田津 実 集英社 2003-01-24売り上げランキング : 940318Amazonで詳しく見るby G-Tools 10月13日のつぶや…

「哲学ガールズ」

哲学ガールズ 萌えで覚える叡智の学園/飲茶 哲学者の萌え女体化イラスト学習本。精神分析関連からはフロイト、ユング、ライヒ、ラカン。 ユングちゃん 人間の精神は、人類共通の”集合的無意識”とつながっていると主張するちょっぴり電波系なオカルトマニア…

「マンガでわかる統計学 因子分析編」/「マンガでわかる相対性理論」

マンガでわかる統計学 因子分析編/高橋 信 井上 いろは トレンド・プロ 回帰分析編の続編。山本先輩がお父さんの策略で海外赴任になっちゃって残されたルイはみう先輩から因子分析を教わることに。マンガでわかる統計学 因子分析編高橋 信 井上 いろは トレ…

「目立たぬものの精神病理」/「母がしんどい」

目立たぬものの精神病理/W.ブランケンブルク 木村敏 木村敏先生のことをツィートしていたら偶然、木村先生も訳者にはいっている本をいただきました。これから読みます。目立たぬものの精神病理W.ブランケンブルク 木村 敏 みすず書房 2012-09-25売り上げラ…

「三里塚」/「遠い視線―長野重一写真集」/「ベルリンの壁崩壊―フォト・ドキュメント1989・11・9」/「ポチ!―いつでもどこでもいっしょ」/「火車 Steam Locomotive in China 消えゆく中国のSL―小竹直人写真集」

三里塚/北井 一夫 世代的に左翼闘争的色彩が強くなった成田空港反対運動しか知らないので、その土地に住んでいた人々の様子を見るのは生々しい感じ。灰野敬二が写っていないかと思ったけど、もちろん写っていません。三里塚 (ワイズ出版写真叢書)北井 一夫 …

「メソポタミアの神々と空想動物」

メソポタミアの神々と空想動物/アンソニー・グリーン 原題は「古代メソポタミアの神々、精霊、シンボル」だけど、日本版はかなり一般向けに編集されているとのこと。タイトルからもシンボルは消えてしまってどっちかというとファンタジー系作家さんの参考書…

「眠る5分まえに見る本〈4〉」

眠る5分前に見る本 4/渋川育由 地中海沿岸の美しい風景。特に催眠効果があるわけではありません。眠る5分まえに見る本〈4〉渋川 育由 河出書房新社 1993-10売り上げランキング : 912535Amazonで詳しく見るby G-Tools 10月07日のつぶやき 23:42 ケンブリッジ…

「天才ピカソのひみつ―美術たんけん隊」「空とぶトランク」

天才ピカソのひみつ―美術たんけん隊/古山 浩一 天才ピカソのひみつにせまる絵本。ピカソ風に描いた絵と「泣く女」を白黒にして比較するというのが面白かったね。天才ピカソのひみつ―美術たんけん隊 (びじゅつのゆうえんち)古山 浩一 福音館書店 2004-06-01…

「スプーン―超能力者の日常と憂鬱」

スプーン―超能力者の日常と憂鬱/森達也 北千住に住んでいたときたまたまはいったお寿司屋さんが本書にも出てくる超能力者、清田益章氏の実家で、曲がったスプーンは見なかったけれど、彼のはいているロンドンブーツみたいなのは見たことがある。その後は大…

「ロング・シーズン」/「バリの雫」/「芦生の森」/「タヒチ 伝説の楽園」/「アイルランド東部・南部の旅」/「水」/「小さなともだち」/「美しい日本のこころ」/「ホッと写真塾 アプローチ―生きていく「街」の瞬間。」

ロング・シーズン/佐藤伸治 急逝したフィッシュマンズのボーカル、佐藤伸治の詩集。普通の言葉で普通に歌う。ロングシーズン 〔新装版〕佐藤 伸治 河出書房新社 2006-03-21売り上げランキング : 168593Amazonで詳しく見るby G-Tools関連商品 フィッシュマン…

「アレックスと私」/「室生春秋」/「吉野春秋」/「動物にあいたい」/「樹」/「京の雪」/「Mexican Passion」

アレックスと私/アイリーン・M・ペパーバーグ Avian Language Experiment(鳥類言語実験)の頭文字をとってつけられた普通のペットショップで無作為に選ばれたヨウム、アレックス。その驚くべき言語能力については是非ビデオを見て欲しい。 アレックスとその…

「ときめかない日記」/「日本全国ゆるゆる神社の旅」/「小笠原 父島/母島―友永成太写真集」/「日本の名景 橋」/中釜洋子さんのお通夜

ときめかない日記/熊町みね子 自己承認という慢性の長い経過の病。ときめかない日記能町 みね子 幻冬舎 2012-05-25売り上げランキング : 65850Amazonで詳しく見るby G-Tools関連商品 人間仮免中 オカマだけどOLやってます。完全版 (文春文庫) ひとりごはん…

「死を待つ家」「みずしな孝幸のほどほど日記」

死を待つ家/松本栄一 ワラーナシー(ベナレスとも。この本ではバナーラス)には行ったことがある。ガンジス川でたくさんの人が沐浴しているのだけれど、彼らはそこに死体も流す。現地の日本人ツーリストのあいだでは、外国人には禁忌の地域があってそこにふ…