M.S.Corey & Corey (1987) 11/29/94(5/26/98 rev. by ぴゅん)
第3章 グループ形成
* 考慮すべきこと
1 グループを組織する上でリーダーが考慮すべきことは何か
2 グループの企画書をどう書くか
3 メンバー募集の仕方
4 メンバー選択の基準 (希望者を断る時どうするか)
5 メンバー候補を面接するとき、どんな質問をするか
6 グループのリスクや利点を、メンバー候補にどう説明するか(心理的リスクを最小限にするにはどうしたらよいか)
7 グループについて人々が誤解しがちなことはどんなことか
8 プレ・グループを行うことの利点は何か
9 グループを作るときに倫理的に考えなければならないことは何か
10 参加希望者で構成されるグループと強制参加のグループの違いは何か
《イントロダクション:始めに》
スタッフが自分たちのグループに期待することについて明確にすればするほど、きちんとした計画を作ることができ、メンバーのグループ体験も意味あるものになる。
○企画書を作る
1 グループの種類(治療的、成長促進的、長期または短期グループ)
2 メンバーの種類(学生、夫婦、個人的問題を抱えた人、男性、女性、年齢層)
3 グループの目標(参加することで各メンバーが何を得るか)
4 このグループの必要性
5 このグループの基礎となる理論的背景は何か
6 リーダーとコ・リーダーは誰か(資格は)
7 メンバー選択をどんな手続きでやるか。選択の根拠は何か。
8 メンバー数、場所、回数、時間、オープンかクローズか
9 グループ開始時にメンバーが準備すべきことは何か
10 グループの構造、テクニックとその理由
11 グループ参加に伴うリスクは何か。それをどのようにメンバーに伝え、いかにしてメンバーを不要なリスクから守るか
12 評価方法
13 トピック(どの程度までメンバーが決め、どの程度リーダーが介入するか)
14 グループの各発達段階の特徴は何か(各段階のリーダーの役割、課題)
★チェックポイント
理論的根拠、目的、実際の運用、手続き、評価
《メンバー募集と選別》
○グループを行うことを発表してメンバーを募る
・メンバー候補と個人的に合うのが最も効果的
・同僚に伝えて候補者をリファーしてもらう(一緒にスクリーニングしてもらうのも可能)
募集に際して伝えるべきこと(文書にすることが望ましい)
1 グループの目的とゴール
2 テクニックと方法(特に研究目的である場合はそれを明記)
3 リーダーの資格
4 料金
5 (料金に含まれる)フォローアップサービス
6 実際に提供される(されない)サービスの内容
7 グループ参加に際して各人が負うリスク
8 セッションの記録(テープやビデオを使う場合)
9 リーダーとメンバーの責任分担
★ポイント;グループのあり方を具体的に正確に伝える
非現実的な期待を抱かせるような”約束”はしない
○メンバー選別の手続き
〈今、このリーダー〉と一緒に、〈このグループ〉に参加することが、〈この人〉にとって必要か、を考える
二方向のプロセス(リーダーだけでなくメンバーも情報収集し意志決定する機会)
*スクリーニング・セッション(個人面接)
確認すべきこと;じぶんを変えようという十分な動機付けがあるか
本人が希望しているのか、人から勧められたのか
なぜこのグループを特に選んだのか
*スクリーニング・セッション(グループ)
グループの概観、話される話題の説明
*避けた方がよいメンバー候補;グループ体験によって心理的に傷つきやすい人
グループのエネルギーを吸い取ってしまうような人
例)敵意に満ちた人、場を独占する人、過度に攻撃的な人、行動化する人、自殺の可能性が強い人、精神症状が激しい人、ひどくまとまりのない人、危機的状況にある人、被害感の強い人、過度に自己中心的な人、過度に防衛的な人
○メンバーの査定と選別
★ポイント;本人のやる気(変化を望み、必要な努力をする準備がある)
特に、グループについて十分な情報を得た後でもやる気があるかどうか
このグループがその人の目標を達成するのにふさわしいものかどうか
*断る場合;いかにこのグループがその人にふさわしくないか、を伝える
時には、その人がいかにこのグループに適当でないかを伝える
《具体的なグループの組立》
○グループ構造:グループの種類(目的)によって決まる
・同質的グループ;凝集性が高まりやすい 例)断酒会、片親の会
・異質的グループ;社会の縮図、対人スキルを試す 例)成長を促すグループ
○グループの大きさ:メンバーの年齢、リーダーの経験、グループの種類、扱われる問題によって決まる
例)児童;3〜4人、青年期;6〜8人、成人グループ;8人(リーダー1人)
○グループの頻度;メンバーによって決まる
例)児童、青年期;短期で週に数回、健康な成人;週一回二時間、
病態の重い入院患者;毎日45分、病態の軽い入院患者;週に数回90分
○グループ期間;グループ開始時に終わりがいつになるかをメンバーに伝える
例)期間限定グループ;15〜16週(相互信頼と何らかの行動変化をもたらすに十分な期間) 数セッション後に一日セッション(凝集性を高める)
* 個人、そしてグループレベルでの進歩が常に意識される
無期限グループ;深いレベルの洞察、人生の変化、
ただしグループへの依存に注意
○場所:気の散らない、居心地よい場所、いすを丸く並べる、自由にいすの位置を動かせる、リーダーは向かい合う位置に座る
○参加の仕方(強制的 対 自主的):
強制参加のグループでは特にグループについての情報提供が大切
グループの時間をどう使うかは本人次第だということを伝える
○オープン 対 クローズ・グループ
・オープン・グループ;メンバーが少しずつ替わることが刺激になる
・クローズド・グループ;凝集性が高まる
○評価:リーダーシップスキルを磨く(施設によっては義務づけ)
メンバー評価;各メンバーの態度や行動の変化
グループ評価;前メンバーに共通の変化
例)不安の減少、「気づき」の増加、対人関係の向上
《プレ・グループセッション》
メンバーにとってグループ参加の心の準備となり、メンバー同士が知り合う機会
*リーダーがプレ・セッションでできること
メンバーが何を期待しているかを探る、グループの目的とゴールを明確化する、グループのやり方を詳しく議論する、グループプロセスについて説明する、メンバーの疑問に答える、グループ規範を確立する
*プレ・セッションの効果(リサーチより)
メンバーのグループへの信頼を高める、グループに適した行動や役割がとれるようになる、不安が少なくなる、自己開示に積極的になる、フィードバックを与えたり受けたりすることに積極的になる
○リーダーとメンバーの期待を明確にする
メンバーの期待(「このグループに何を期待しますか」「参加を申し込むときどんなことを考えましたか」)
=メンバーの物の見方、何を得たいと思っているか、どんな努力をしようと思っているか
リーダーの期待を伝える=なぜこのグループをやろうと考えたか、何を達成したいと思っているか、リーダーとしてどうありたいか、メンバーに何を望むか
*責任の分担が明確化、メンバーの権利と責任
メンバーの過度の不安(グループ効果を阻害する)を和らげる
○基本ルールを確立する
リーダーの役割;グループ中やその直前の酒類や薬物の使用を禁止する
*守秘義務について明確にする
グループ参加は自主的なものであることを伝える
身体的な脅しや、強制、メンバー間の圧迫等から各自の権利を守る
グループ参加のリスクを話し合う
*守秘義務;必要性とその限界を率直に述べ、各自が何をどの程度グループで話すかはその人自身の決定に任せることを明確にする
その他のルール;遅刻、欠席、グループ中の飲み食いや喫煙、友人を連れてくること、メンバーとグループ外で交際すること、メンバーと親密な関係になること、メンバーの権利と責任
○グループの利点と限界を探る
別紙参照
○グループへの誤解を解く
よくある誤解;「グループは感情的に『ハイ』になる場所である」
「グループの目的は全てのメンバーに対して親しい愛情を持つこと」 「グループは人の防衛をはがして心を引き裂き、そのまま放り出す」 「グループは人の悩みを浮上させもっと惨めで不幸にする」
「グループは一種の洗脳である」
「グループは人工的で、非現実的である」
「グループの圧力はその人のアイデンティティーを失わせる」
《コ・リーダーの問題》
コ・リーダー同士は同等の責任を持ち、準備段階から一緒に仕事をし責任を共有すべき
○聖書のセッションまでにリーダー同士がしておくべきこと
1 個人的、職業的な背景を知り合う時間を持つこと
2 互いの理論的立場、グループについての考え方を話し合う(それまでのリーダー経験、互いの理論やリーダーシップスタイルがどんな影響を与えるか)
3 一緒に働く上で引っかかることはないか(互いのリーダーシップスタイルの違いからいかに相補的な効果が引き出せるか)
4 互いに自分の強い所と弱い所を話し合う(将来起こりうる問題を予測する)
5 グループの倫理的事柄について話し合う(倫理にふれる行為として互いの意見が一致するのはどんなことか、また意見が食い違うのはどんなことか)
《リーダーとしての心の準備》
○グループ開始前にリーダーが自分に問うてみること
1 このグループを始めることを楽しみにしているか
2 熱意があり、生き生きした気分か
3 最近の自分はどのくらい有能だと感じているか
4 自分の企画はやり甲斐があり、ふさわしい報酬を得ているか
5 他者に対して治療的に働きかける前に解決すべき必要のある、個人的な問題を抱えていないか
6 自分自身の人生や、自分が向かっていることに満足しているか。自分の選択に不満を持っていないか
7 リーダーとして自分がメンバーに期待することを、自らもやる準備ができているか
8 自分に正直に向き合い、自分の見たものを受け入れ、変化のための決定を下しそれを実行する用意があるか
第4章 グループの初期段階
1)メンバーが最良のグループ体験をできるように援助すること
メンバーにグループ・プロセスの基本を教える。
どうやったらグループに積極的に参加できるか。
■メンバーへのガイドライン
1 信頼を築くのを援助する。不信感、恐怖感を言葉にすることが信頼を築く。
2 繰り返しわきあがる感情(退屈・怒り・失望)を表に出す。
3 「グループことば」を使わない。
リーダーはあいまいな言葉や、主語のはっきりしない発言を明確化する。
4 どこまで話すかは自分で決める。
自分をさらけだすことが目的ではない。
5 傍観するのではなく、積極的に参加する。
積極的に参加することで得られるものの大きさをメンバーに示す。
6 グループ外でうまくいかないことが起こることを予想する。
7 グループから何かを得るのに病気である必要はない。
8 自分の良い面を見つけることを期待する。
9 細かく、差別することなく耳を傾ける。言われたことをすぐに拒否しない。
10 何度も同じフィードバックを受けるときは注意する。
11 自分をこうだと決めつけない。
12 その他のアドバイス
グループの前と後にも作業を進めること。日記を書いてみる。
グループでの進歩を評価できる方法として、自己評価の技術を高める。
セッションの中で扱いたい特定の問題を復習し、時間をかけて自分の目標を明らかにすること。
アドバイス、解釈、事務的な質問は避けること。
ほんとうにしなければならないことはグループの外にあるということを忘れないこと。変化はゆっくりで、微妙なものだと言うことを忘れないこと。
■教えすぎがあるということ
すべきことを強調しすぎると、自然に学ぶということがグループ体験から損なわれてしまい、リーダーへの依存が生まれてしまう。
2)グループの初期段階における特徴
■初期の話題
方向付けと探索。グループ規範ができてくる。
否定的な感情の表明。
初回のセッション
課題が明確にならない。
メンバーはまず自分を受け入れてもらおうとする。
■初期の抵抗
リーダー不信。
グループが役に立たないと考える。
ひきこもり、様子をうかがう。
文化的な背景を考える必要性。
抵抗の裏にある不安を取り上げる必要性。
信頼できる雰囲気作り
グループをペアに分け、ペアを組み合わせて4人にすること。
メンバーが各自の関心と不安をオープンに語れること。
「隠れた議題」があっては、グループは行き詰まる。
■自分に焦点が当たる場合と他のメンバーに焦点が当たる場合
メンバーは他の人の話をしがち。グループの初期には、自分自身に焦点をあてることが必要である。
■信頼と不信感
感情を表現できる時、明確な目標設定ができる時、自分に焦点があう時、自己開示をする危険をおかそうとする時、信頼感が育つ。
不信感があると、話が抽象的になったり、過度に知的になったり、グループから得られるものが曖昧になってしまう。
3)初期段階における目標を設定し、明確化すること
グループ目標と個人目標の設定
グループ目標
信頼したり、受容したりする雰囲気を作り出すこと。
自分を意味あるやり方で、共有すること。
危険をおかすことを促すこと。
グループの目標がグループの初期にメンバーに明確に語られ、理解され、受容されることが必要。
■グループのメンバーの一般的な目標
自尊心を高める
自分の限界の存在を受け入れる
親密になることを妨げる行為を減らす
・近親相姦の犠牲者の目標
メンバーが近親相姦のことを語るのを援助する。共通する怒りや、傷つきや、恥ずかしさや、罪悪感を見いだす。加害者との未処理の仕事を徹底操作する。
・肢体不自由者の目標
・薬物乱用者の目標
・老人の目標
・行動化する子どもの目標
■メンバーが個人目標を定義するのを援助する
メンバーは目標を広い意味の言葉でしか言わないので、状況を明確化する必要がある。
「人とうまく関わりたい」 誰と? どんな状況で? どんなところを変えたいのか?
目標を定義するということは、一度なされればそれでいいというものではなく、継続するプロセスである。
■個人目標を設定する方法としての契約
契約;グループ・メンバーがグループ中でも、グループ外でも、何をしたいのか述べたこと。
宿題の活用。両親とのトラブルを経験するたびに、それを観察し、かきとめることを契約した。もし葛藤から回避していることがわかれば、回避せずとどまってみることを契約する。
4)初期段階におけるグループ・プロセス概念
グループ・プロセス グループ規範やまとまりをつくること。
共同して作業するようになること。
問題解決の方法を確立すること。
葛藤をオープンに表現するようになること。
グループ基準;グループが効率よく機能するために期待される行動であるとメンバーに共有されていること。
グループのまとまり;グループの中の共にあるという感覚。まとまったグループとはグループの中にとどまりたくなるようなグループであり、所属感や、メンバーの関係性のあるグループである。
■グループの基準
暗黙の基準。メンバーの憶測と関連。「グループでは何でも話さなければならない」
リーダーのモデリング。リーダーがののしったりすると、メンバーはそれを取り入れる。
暗黙の基準の別の例。メンバーの日常生活の変化と関連。
・メンバーは欠席、遅刻をしない。
・メンバーは自分自身について語り、他のメンバーに直接話しかけ、積極的な参加者になる。
・メンバーは他のメンバーにフィードバックを与える。
・感情に焦点を当て、表現する。
・「いまここで」起こっていることに注目する。
リーダーもいまここでに焦点を当てる。
「今どんな感じ?」「誰のいってることがピンと来る?」「心の中でどんなリハーサルをしてるの?」「誰のことを一番意識してる?」
・メンバーは自分の問題や、話したい話題をグループに持ち込む。
「いまここで」の妨げになることがある。
・治療的な援助を与えること。
リーダーの教える側面が強調されすぎることがある。
リーダーが強烈な感情に対して弱いと、グループににせの支持的な雰囲気ができて、挑戦や、直面化が行われなくなる。
この種の暗黙の基準は肯定的な面だけを語ることになる。メンバーは批判は受け入れてもらえないと感じるかもしれない。
・メンバーに自分自身を見つめよという直面化を与えること。
直面化・・直接に相手を気遣いながら、メンバーに言動の食い違いを見つめるように促すこと。
リーダーが厳しい直面化ばかりすると、メンバーはそれをとりいれ他メンバーを攻撃するようになる。
・問題を解決しようとすること。
うまく行かないことが多い。感情を話すことの方が重要。
・すぐに反論したり、過剰に防衛的にならずに、耳を傾けること。
グループが発達して行くにつれて、グループの基準は議論されるべきである。
もしグループの基準が明確に提示され、メンバーがこの基準の価値を認め、それに従うなら、この基準はグループの形成において有力な力になる。
■グループのまとまり
本当の意味でのグループのまとまりはグループが葛藤と取り組んだり、痛みの共有を行ったり、重要なリスクを冒したりする徹底操作期にはじめて得られる。
しかしグループの最初のまとまりは初期段階でも形を取り始めている。
メンバーの協力
欠席・遅刻をしないこと
グループを安全な場所にしようとする努力
ささえることと気にかけること
グループの交流の「いまここで」という文脈で他メンバーへの反応や感じ方を表現すること
本当のまとまりとは到達して固まった状況ではなく、メンバーの団結の継続するプロセスなのである。
・信頼感を生み出すこと。他メンバーの意見や感覚を尊重すること。
・メンバーが自分たちの意味のある見方を共有できるなら、リスクをおかすこともできるし、グループもまとまる。
・グループ目標と個人目標が、メンバーとリーダーによって共有されること。
・すべてのメンバーが積極的に参加するように促すことで、グループがまとまる。
・リーダーの役割をすべてのメンバーがとることで、グループがまとまる。
リーダーとメンバーの相互作用の代わりにメンバー間の相互作用を促す。
・葛藤の存在を認め、オープンに扱うこと。
・グループの魅力とまとまりは関連がある。
・否定的な反応も、肯定的な反応も表現することを促すことで、グループへの所属感が高まる。
5)信頼をうみだすこと:リーダーとメンバーの役割
■モデリングの重要性
信頼の確立はグループの初期段階の中心の課題
リーダーがグループを形成するのに十分な考慮を払っていれば、メンバーはそれをメンバーのことを気にかけているのだと受け取り、信頼が生まれる。
コ・リーダーのいるグループ
お互いの交流のスタイルをチェックする必要。
信頼をつくるのはリーダーだけではない。メンバーの投資の程度も関係する。
■信頼へつながる態度と行動
1 待つことと聞くこと
2 共感
3 純粋さと自己開示
批判しているのに受け入れているふりをしない。
個人的なことを話すのではなく、グループで起こっていることに対して、感じていることや、考えていることを隠さない。
4 尊重
5 直面化(言動の不一致、言葉と言葉以外のメッセージの矛盾を指摘すること)
相手を気づかう直面化であることが大切。
6 継続する問題としての信頼
6)初期段階におけるリーダーの役割
■(メンバーとリーダーの)責任分担
グループの指導を引き受けるリーダー
メンバーの依存を引き出す。
何でも責任を引き受けすぎるリーダー
メンバーが依存するだけでなく、リーダーが枯渇してしまう。
何も責任を引き受けないリーダー
筆者はメンバーには何らかの保護が必要と考える。
■構造化の程度
・初期段階におけるバランス
Yalom (1983) リーダーの基本機能;依存を引き出さないように構造化を与える
・構造化に関する研究
グループの初期段階で構造がはっきりしていると、グループのまとまりやリスク・テイキングが高まる。
・研究に基づくリーダーのためのガイドライン
1 初期段階においては直接の指導がグループの成長を促進する傾向にある。
2 支持的なグループ基準と信頼を作り出すために、初期構造を導入すること。
3 基本的な基準が導入された後は、構造化は弱められた方がよい。
4 社会的に関わる能力の低い人のグループでは構造化された介入が望ましい。
5 積極的なリーダーシップをとりつつ、メンバーがより責任を負うように促す。
6 メンバーが目標にむかうべく、課題に焦点を当て続ける。
7 メンバーが自己開示、フィードバック、支持と直面化のバランスを理解するのを助 ける。
8 フィードバックすることでメンバーのしていることに気づいていることを示す。
9 メンバーに語りかけることによって、直接話しかけることのモデルとなる。
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■グループ・セッションを始めることと終えること
グループを始めるためのガイドライン
1 メンバーは前回のセッション以来グループ外で練習として行ったことを共有する機会を与えられるべきである。
2 各メンバーがこのセッションで何を得たいかを手短に述べさせることは有効である。
3 宿題を思い出すように言われる。
4 以前のセッションでひっかかっていることを語るチャンスを与える。
5 リーダーが考え直して、思いついたことを述べる。(特にグループが行き詰まっているとき)
「今日はここにいてどんな感じですか?」
「今日のセッションを始める前に、今週おこったことを思い出してみて、何か話したいことが考えてみてください」
「このあいだのセッションのことで、何か後から考えついた人はいますか?」
グループを終えるためのガイドライン
1 メンバーにとっては未解決な問題を残してグループを去るのがよい。
2 メンバーからエネルギーをどれだけ費やしたかについての発言があるとよい。
3 他メンバーとの交流を通じて、自分自身について何を学んだかを手短に話すよう求めてみてもよい。
4 次のセッションで掘り下げてみたい話題があるかどうか聞いてみてもよい。
5 お互いにフィードバックを与えるよう求めてみてもよい。
7)練習
1 最初のセッションの練習
2 自己紹介の練習
3 グループの最初の段階の練習
実際のグループでも使える。2人組になって10分づつ話してみる。
4 コ・リーダーとのミーティングの練習
5 信頼を生み出す方法についてのブレインストーミング。
Reference