基底的想定グループ basic assumption group (1961)


 精神分析家 Bion は第二次世界大戦中にノースフィールド実験と呼ばれる陸軍病院における士気の維持を目的とするプロジェクトに関わる。
 ビオンによれば、グループは、各メンバーの意図や意識を越えたグループ心性 group mentality を持つ。


ワーク・グループ (W)
理性的な協力のもとに何らかの課題が遂行されているグループ。フロイトが自我の特徴としたものに類似。


基底的想定グループ
基底的想定の生活は現実へとは向かわず、内側のファンタジーに向かう。基本的憶測は匿名的であり、グループの誰一人にも明確に規定されることはない。
基底的想定は、以下の3つにまとめられる。


依存想定グループ dependency (baD) (愛着)
「完全に依存できるリーダーが欲求や欲望を満たしてくれる」
「母親とその体と結びつき、相互的な反応を確保したいという分割排除されたニードの結果としての理想化。自分自身と内的対象を、投影された羨望と一つになった外的対象の報復から守る手段」


闘争−逃走想定グループ fight/flight (baF)(攻撃性)
「敵が存在し、その敵を攻撃しなければならず、またその敵から逃げる必要がある」  「生まれもった悪性の羨望という形で現れる、死の本能に特有の不安から生じる分割排除され投影された憎しみの結果としての中傷」(Hopper 1989)
リーダーはパラノイド。


つがい想定グループ pairing (baP) (性愛)
グループの課題が何であれ、カップルの間に生まれる子どもによって解決されるだろう」
抑鬱ポジションに関連した不安に対する躁的防衛としての性愛及び性愛化」(Hopper 1989)
 グループのリーダーは、まだ生まれていない何事か、あるいは誰か。


原子価 Valency
個人が基底的想定活動にどう程度容易に入り込めるかということを示す。(Greenberg 1977)