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ユング派の立場からアニメのヒロインを分析しています。
エヴァンゲリオンに関しては、去勢をキーワードに分析しています。去勢されたゲンドウの死がシンジくんを精神崩壊から救っている、って本当かな?
また著者は映画版、最終シーンのアスカの包帯姿も去勢と解釈していて、それ自体は間違いではないと思いますが、あれはどうみてもアスカの綾並レイ化であり、シンジと同一化しようとする母親の呪縛に見えます。それが「気持ち悪い」という言葉で融合が拒否されるところから世界は始まる・・・・やはり集合的無意識や魂で容易にこころが連結してしまうユング派の立場は、エヴァンゲリオンの融合拒否というテーマにそぐわないと思ってしまうのですが、いかがなものでしょう。個性化と呼ぶには、切り口からだらだら血が流れていて痛々しすぎると思うのですが・・・
p.22 「その姿は、(中略)私の原光景の一つとなっていると言って過言ではない」 小学生の女の子がプレイセラピーの後に喘息発作を起こしてしまった場面。原光景というのは精神分析では特殊な意味(両親の性交する姿)を持っていますから、避けた方が無難な表現。
アニメと思春期のこころ | |
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