精神科医で現在は大正大学に勤務されている滝川先生の著作です。青木省三先生の挿絵入り。
序論 新しい思春期像――思春期心性と現代の家族――
第I部 時代と文化からみた現代思春期像
社会,家族,そして精神療法
思春期における〈性〉と〈食〉
表象としての食卓
中学生は変わったか
悩める中高生――悩みの昔と今――
いじめの背景と日本的特性
「子どもの人権」再考
第II部 思春期のこころの治療
おとなの精神科医と子どもの精神科医
心理療法の基底をなすもの――支持的心理療法の場合――
子どもの神経症治療の特徴と留意点
〈食事〉からとらえた摂食障害――食卓状況を中心に――
摂食障害への精神療法的アプローチ
青年期境界例
不登校へのカウンセリング――学校の先生へ――
レジデンシャルケアにおける心理治療
児童養護施設児童の青年期
青少年の犯罪率、食生活、「やまびこ学園」の考察などを通じて現在の若者像を振り返ります。食生活の豊かさからみた摂食障害事例の考察が興味深かったです。
細かいところですが、1981年に連載が開始された高橋留美子のマンガ「うる星やつら」を祝祭化した学園生活、「教室の日常に忍び込みはじめた懈怠の気分」と評していますが、永井豪の「ハレンチ学園」などの先行作などをとりあげないとやや恣意的という印象を受けます。
- p.151 幼女連続殺害事件の被告 → 被告人
- Simmonds症候群 汎下垂体機能低下症
新しい思春期像と精神療法 | |
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