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福岡県臨床心理士会の学校向けの危機対応マニュアルとその理論的背景をまとめたもの
私も病院や大学での事故処理に関わったことはありますが、学校という未成年の大集団相手でマスコミも関わったりしてくれば、その対処にはさらに難しく、こうしたマニュアルを作成する関係者の直面した困難はなみたいていではなかったものと想像できます。
いくつか感想を書いておくと・・・
事例は非常に役に立つのですが、マスコミに取り上げられるような事件になるといくら仮名にしても、読む側は検討がついてしまいます。生徒個人の学校での状況などは事例に密接に絡んでくるとはいえ、個人の特定が可能なゆえ削除したほうがよかったのではないでしょうか。
生徒の自殺をどうほかの生徒に伝えるかと言うことに関して
デリケートな問題なんだけど、質問に質問で返す「つばめ返し」はあんまり感心しません。もしいろいろ質問するんだったら、ご家族から聞いていることを伝えてからの方がいいのではないでしょうか。これでは自殺なのかという質問をすること自体が無責任な発言と言うことになって、2次被害となりかねません。
「自殺ではなかったの?」という質問がなされることが多い。そのような場合は、「どうしてそう思ったの?」「誰が言っていたの?」「あなたはどう思うの?」などひとつひとつ丁寧に応対した上で、「学校としてはご家族の方から亡くなったとしか聞いていないこと」「無責任なことを言うことは、亡くなった方やご家族をさらに傷つけることになるので気をつけること」を毅然として伝えることが重要であり、前もって学校全体で応答の仕方も含めて十分共有しておく必要がある。
この手引き自体が支援の対象とするのが「被害者」より「学校」コミュニティにあたっているゆえの制約なのだろうとは思います。
あんまり口裏を合わせるより、やっぱり伝える先生が生徒の死を聞いて率直に感じることをやや薄めてつたえることの方が大事なのではと思うのですが・・・
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