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乳幼児研究のダニエル・スターンとは別人で、ドネル・スターンはサリヴァン派の分析家(まぎらわしいね)。
第1部 構成された経験と未構成の経験
1 差し出されたものと作り上げたもの ―構築主義の考え方―
2 未構成の経験 ―序論―
3 慣れ親しんだ混沌 ―防衛としての未構成の経験―
4 創造の源となる無秩序と自然に生じてくる知覚 ―可能性としての未構成の経験―
第2部 自己欺瞞についての再検討 ―解離の理論のために―
5 想像と創造的な語り ―解離と構成についての考察―
6 詳細に思い浮かべないこと ―強い意味での解離―
7 物語の硬直性 ―弱い意味での解離―
8 私的な自己の問題 ―未構成の経験と対人関係の場と多重性―
第3部 分析家の仕事における未構成の経験
9 解釈と主観性 ―抵抗の現象学―
10 患者に関する分析家の未構成の経験
11 ガダマーの解釈学 ―場に組み込まれている分析家のための哲学―
12 思いがけないものに寄り添うこと ―臨床実践において自然に生じてくる知恵―
抑圧というと、ついお風呂のなかにボールを沈めるところをイメージしてしまうけれど、よく考えればそんなふうにある考えが無意識のなかにそのまま押し込められるはずもない。著者は、そうした無意識の思考を"unformulated experience" と呼んでいる。構成というとつい construct を思い浮かべてしまうけれど、ここでいう unformulated な体験とはコード化されていない体験のこと。
後半の解釈学に関する部分は難解だったけど、前半は素晴らしい。オグデンの文学趣味は一昔前の人という感じだけど、著者はレイモンド・カーヴァーやティム・オブライエンなどを取り上げていて何だか同時代の人という感じがする。
監訳者の一丸先生と筆者は留学中の知り合いらしく、本文中にも日本人留学生として一丸先生が登場しています。
精神分析における未構成の経験―解離から想像力へ | |
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