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クライン派の分析家は、決して子どもと遊ぶなんてことはしないと思いますが、それをするのがウィニコットの自由さ・・・。筆者は小児科医で外来でスクィグルを用いているようです。実際の外来で、どのくらいの割合でスクィグルを用いるのか、混雑の具合はどうなのか、クリニック経営上ではどう考えているのか、といった具体的なことが知りたくなります。
筆者は子どもの転移を認めないなど、どちらかというとアナ・フロイト的な姿勢のようですが、序文を新宮一成先生を書いているなど、ラカンの影響もある方のようです。「おわりに」では
と言語による解釈的な関わりを評価しています。ことばがイメージを固定させるという働きはあるにせよ、言葉とは情報量の少ないものです。神田橋先生の言葉の受け売りですが、どちらかというと言葉は、充足した体験を冷めさせる働きがあるというほうがぴんと来ます。白川先生が他の先生の言葉を借りて、理論的にいろいろ説明されている言葉も確かに大切でしょうが、もっとも重要なのは子どもとの交流の中で起こっている体験だろうと思います。まあ、それを言葉にしておくことで記憶にとどめやすいという利点はあると思いますが・・・
そもそも、「ことばに出さなくてもわかりあえる」という形での治療効果は、偶然によりかかるものです。
子どものスクィグル―ウィニコットと遊び | |
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