山口県の母子殺害事件で「母体回帰ストーリー」説のバックグランドとなった加藤幸雄(さちお)氏編著の書籍。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070628-00000025-san-soci
加藤氏は第9章「犯罪心理鑑定の意義と方法」で、精神科医の行う精神鑑定を補うもの、あるいは精神科的判断の比重が少ない時に、弁護人からの要請に従い「犯罪心理鑑定」を過去4件8名に行ってきたと記しています。公式にそういう制度があるというのではなく、少年犯罪を対象にした社会的運動の一環として弁護側の証人に立っていると言うことでしょう。
その事件の中のひとつが1988年に起こった「アベック殺人事件」があり、その中で犯罪心理鑑定では「法律的事実」より「心理・社会的事実」を重視する旨述べています。
http://homepage3.nifty.com/yokohama-childline/withyou04031.html
上記後援会でも我が子を餓死させた母親に対して、殺人ではなく「ネグレクト」であるとの主張を行っています。
読んでみての感想は、やはり犯罪被害者、その遺族への配慮は抜け落ちているように感じました。情状酌量すべき事情はいろいろあるとは思いますが、同じ人を殺すということに対する罪が不起訴から懲役10年以内〜死刑まであまりに幅の大きすぎる日本の司法システム自体の問題も感じました。
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