原題は "A Clinical Introduction to Lacanian Psychoanalysis - Theory and Technique" でなぜか邦題は "clinical" だけけずっちゃったんだよね。「臨床」と「ラカン」というミスマッチなものがタイトルに並ぶところがキモなのにね。"Practical Jung" みたいにさ。
訳者のブルース・フィンクはアメリカ人でジャック・アラン・ミレーユに学び、アメリカで精力的にラカンの再解釈を行っている人。「エクリ」の改訳版も出している(日本でも出せばいいのにね)。
ラカン派の禁忌(?)症例も載っていて、ラカン系列のものとしては比較的わかりやすく書かれてます。そこを多分批判されるだろうと筆者も書いてますが、多分そうなのでしょうね。「こんなのわかりやすすぎる。もっと曖昧に、伝わらないように書きなさい」とチェックはいること必死です。
これ読んで、ほんとにラカン派の分析家は短時間セッションをやっているということがわかりました。アメリカでそんなことして訴訟にならないのかな・・・
ラカン派精神分析入門―理論と技法 | |
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