研修で名古屋に来ています。午前中は甲南大学高石恭子先生の講演「全学的な学生支援と守秘義務の問題」。高石先生の話は非常にわかりやすくてよかったと思います。
最近の学生の傾向。抑圧モデルから解離モデルへの変化。「悩めない学生」「巣立てない学生」「特別支援を必要とする学生」(2005.4 発達障害者支援法の施行)。
「多聞」と「他動」のバランス。甲南大学の学生相談室20周年講演での宗教学者山折哲雄先生の話。釈迦の十大弟子。捨てられた釈迦の息子の羅睺羅(らごら)がやっていけたのは十番目の弟子、多聞のおかげではないかという説。
そのとき、その現場での心理的援助。「連携」から「協働」へ。「治療・回復」から「心理教育・成長支援へ」。ことば以前の段階の構築と、語感の体験を通したことばの発達支援、そして社会への橋渡し
甲南大学の体制。全学的な学生生活支援委員会の設置を予定。事故など緊急時に学生相談室だけで対応仕切れない場合に、副学長が専門家を招集できるようなシステム。グループ活動が困難な学生に対する個別対応と甘やかしすぎて非教育的な関わりにならないための客観的なチェック。
守秘義務の問題。集団守秘義務・チーム内守秘義務(そのメリットと問題点)。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8D%81%E5%A4%A7%E5%BC%9F%E5%AD%90
羅睺羅(らごら)サンスクリット語でラーフラ(raahula、राहुल)。羅云とも書かれる。密行第一。
釈迦の息子。釈迦の帰郷に際し出家して最初の沙弥(少年僧) となる。そこから、日本では寺院の子弟のことを仏教用語で羅子(らご)と言う。 via wikipedia
ロックバンド羅針盤のアルバム「らご」はこれから来ているのかな?
参考文献に載っていた書籍
心の専門家が出会う法律―臨床実践のために | |
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午後は情報交換会「学内連携と守秘義務」。分科会は「発達障害の基礎知識」にしました。
近年、大学の学生相談においても学習障害、AD/HD、アスペルガー障害などの広汎性発達障害を持つ学生が注目されています。
発達障害者支援法の施行を受けて、保護者から大学に対して障害への配慮をしてほしいという要望が伝えられるものの、まだまだサポート体制が追いついていないというのが現状のようです。
これはよさそうな本。さっそく図書館に予約しました。
今月号の「大学と学生」のテーマも発達障害です。
愛知県が発達障害者に職業訓練、全国で初か-発達支援ひろがりネット