タッチメント障害とその治療―理論から実践へ/カール・ハインツ・ブリッシュ

 従来、「愛着」と訳されていたアタッチメントに問題を持つクライアントに対するサイコセラピーを包括的に扱った書籍。別の本で訳者の遠藤先生が指摘されているように日本語の「愛着」が何か対象に対するプラスの情緒的つながりを連想させるのに対して、実は attachment とは、マイナスのものをとりあえずゼロに戻すようなつながりを指す。確かに「愛着」という訳語はミスリーディング。
 訳者の一人の北川先生が解説で明らかにしているように、著者自身のアタッチメント障害の定義にぶれがあること(母親とのあいだに問題がまったくない人間なんて存在しない!)、事例がたんたんと描かれていて深みが感じられず、事例の力動的展開がわかりにくいという欠点はありますが、ジョン・ボールビーの定義した問題を押さえておくにはよいかも。

アタッチメント障害とその治療―理論から実践へ
アタッチメント障害とその治療―理論から実践へ数井 みゆき 遠藤 利彦 北川 恵

誠信書房 2008-05
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