カッコウが鳴くあの一瞬/残雪

 マジック・リアリズムも実はその現地にいってみれば結構普通の風景だったりする。たとえばガルシア・マルケスの風景、って確か桜庭一樹の対談に出ていたように思う。赤朽葉家は実は山陰にはありふれた風景なのだと。そんなわきゃないと思いつつ、実は舞城王太郎西暁町で想像された通りの町だしね福井は。(嘘嘘、そんな恐ろしいとこじゃないですよ福井は。)
 そうすると幻想の中の現代中国はほんとうにこんな国なのかしら。ちょとと南米文学の香りがするかも。残雪っていう作家についてはみんなほめてたな、くらいの印象しかなくて、いまウィキを引いて、どうも女性作家らしいと長沙の出身だということを知ったくらい。長沙といったら三國志でいったら呉の国だよね。きっと。バイユー文学というか、ミシシッピーあたりの文学ともちょっと近いものを感じる短編集。ああいいうゾンビとか生と死とかいろいろなものの境界がまじりあうのが必然というようなところ。もう少しいろいろ読んでみたいと思った。

カッコウが鳴くあの一瞬
カッコウが鳴くあの一瞬残雪

河出書房新社 1991-06
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