放浪のダダイスト辻潤―俺は真性唯一者である/玉川信明

 日本初の自称ダダイスト大逆事件で夫のアナーキスト大杉栄と一緒に殺された伊藤野枝の元夫、野溝七生子林芙美子の愛人であり、「ですぺら」の作者でもある辻潤の伝記。生来犯罪社説で有名なイタリアの精神科医チェザーレ・ロンブロゾーの「天才論」の翻訳者としても知られる。後半生はアルコール性の精神病になって二階から飛び降りる「天狗事件」を起こし、同級生の斎藤茂太の青山病院を最初に入退院を繰り返したり、全国を放浪して死んだものと思われたり。野溝七生子の晩年の狂気との奇妙な付合。

放浪のダダイスト辻潤―俺は真性唯一者である (玉川信明セレクション―日本アウトロー烈傳)
放浪のダダイスト辻潤―俺は真性唯一者である (玉川信明セレクション―日本アウトロー烈傳)玉川 信明

社会評論社 2005-10
売り上げランキング : 682787

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

関連商品
絶望の書・ですぺら (講談社文芸文庫)