クレクソグラフィー―ロールシャッハの先駆者ユスティーヌス・ケルナーの詩画集/宮崎忠男 中井久夫
ロールシャッハテストはヘルマン・ロールシャッハの独創によって生み出されたわけではなく、その源流となった多くのインクのしみを使った遊び、芸術、テストなどが存在する。本書はその中でも有名なクレクソグラフィーの生みの親、ユスティーヌス・ケルナーのクレクソグラフィーとそれに合わせて書いた詩集。
ケルナーは精神科医で詩人のヘルダーリンの主治医でもあったとのこと。自身も執筆をしたのが妻を亡くした後でうつ病となった晩年ということで、反応内容も morbid でゴスな感じになっています。いきなりメメント・モリ=死を想え、からです。
宮崎忠男先生は西丸四方門下ということで、詩の訳に中井先生の助力を受けて中井先生のことを「エヴァンゲリオン」と評してるとこが面白いですね。もちろんアニメよりこっちの方がさきなんですが。
ググってみたら今でもアートとしてクレクソグラフィーを制作している人もいるみたいですね。やっぱり内容的にもゴスですね。
Oscar y Astiz - Dessins et klecksographies - Paris 2009
中身とは関係ないけど本書のカバーはロールシャッハ・テストの第一図版。TVドラマ「沙粧妙子最後の事件」、映画「39」では確か監修者、制作者に臨床心理士会(だったか?)から抗議があったはず。こういうのはいいのかな?
クレクソグラフィー―ロールシャッハの先駆者ユスティーヌス・ケルナーの詩画集 | |
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