あのビオンがアメリカを葬る 『タヴィストック洗脳研究所/ジョン・コールマン 著 太田龍 訳』

 日本から精神分析を学ぶために留学するというと、アメリカだったらいまはなきメニンガー・クリニック、イギリスならタヴィストック・クリニックが王道でした。そのタヴィストック・クリニックの関連機関にタヴィストック人間関係研究所というのがあって、この設立にはビオン、ボールビー、クルト・レヴィン、レインなど多くの精神科医、心理学者が関わっているのですが、これが恐るべきユダヤの洗脳機関だった!という陰謀論の書籍。研究所設立にあたってロックフェラー財団の援助があったというのは事実のようですが、それ以外は著者の妄想全開です。



 タヴィストックは当初、「リーダー不在のグループという概念」を用いて活動し、かつての米国を葬った。プロジェクト責任者のW.R.バイオンは長年、ウォートン経済校を運営している。そこでは、自由貿易ケインズ経済学問いった無意味なことが教えられている。 (p.201)

 バイオンはビオンのこと。というかバイオン/ビオン/バイロンの表記が同居して表記揺れまくりです。訳者は先頃亡くなった太田龍
 著者はロック、同性愛、異人種婚に反対らしく、ロックとヒップホップはタヴィストックの産物なのだそうです。ブリトニー・スピアーズの露出ファッションもお嫌いらしく文句言ってます。


 あんまりまじめに読むような本じゃないですが、アマゾンのレビューがみんなまじめにコメントされていて恐ろしいですね。

タヴィストック洗脳研究所
タヴィストック洗脳研究所ジョン・コールマン

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