equation は数学で言う「方程式」。平井先生の「象徴的等価物」って訳は "x+y=z" の"Z" を指す訳だけど、関係性をあらわす式全体ととったほうがいいと思う。象徴方程式っていうと、まあハナ・シーガルということになってるんだけど、最初にこの言葉を使ったのはフェレンツィ。クラインは訓練分析を受けた二人の分析家のうちアブラハムを理想化し、フェレンツィを否定するわけだけど、それはまあクラインの抑うつ的な気質とアブラハムの口愛的抑うつ理論がマッチするせいでもあり、訓練分析を受けている途中でアブラハムが死んでしまったという悲運も関係してくる。だけど結構目立たないところでフェレンツィの影響もやっぱりあるんだろうなと思う。
この時、太郎にとってビーズやクッションは、象徴的等価物(symbolic equations, Segal, 1957)というよりも、象徴そのものにより近いものであったと思われる。 子どもの精神分析的心理療法の経験/平井正三 p.33
それにしてもあの「スィーガル」って表記は何とかならないか。「セクスィー部長」じゃないんだからさ。