「自己愛障害の臨床―見捨てられと自己疎外/カトリン・アスパー」

 ユング派の立場からみたナルシシズムの病理を昔話などの解釈などを通じて。理論的な部分は結構精神分析を陰陽していて、「見捨てられ」から論は進められています。ナルシシズムが「自己愛障害」と訳されているのが、なんとも落ち着かない感じです。タイトルも原題の"The abaondoned child within"を直訳した「見捨てられた内なる子ども」というのがよかったのではないでしょうか。もしかしたらいわゆる「インナー・チャイルド」ものとみなされるのを避けたかったのかもしれませんが。

自己愛障害の臨床―見捨てられと自己疎外
自己愛障害の臨床―見捨てられと自己疎外カトリン アスパー Kathrin Asper

創元社 2001-01
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