「イラン人は神の国イランをどう考えているか/アーザル ナフィーシー アッバス キアロスタミ レイラ アーザム ザンギャネー」

 原題"My Sister, Guard Your Veil; My Brother, Guard Your Eyes"(妹よ、ベールで守れ、弟よ、目を守れ)のフェミニズム的ニュアンスが抹消されたタイトルがもうちょっと何とかならなかったのかなと思う。「ペルセポリス」のマルジャン・サトラピが書いているので読んでみた。
 ペルシアの絨毯や文様などは日本にも伝わっているんだけど、この浸透した「ペルシア」という呼び名自体アケメネス朝ペルシア帝国を滅ぼしたギリシア人の読み方という皮肉。テヘランから50kmも移動すればスキーのできる国イラン。カバーに添えられた編者のレイラ・アーサム・ザンギャネーの写真は超美人で何も言われなければ白人にしか見えないけれど(何といっても元祖アーリア人なんだから)、アメリカにおいては非白人と見られ、またアラブ人や他のアジア人に対する複雑な差別感情も語られる。フェミニズム色は強いけれど、執筆者15人中5人は男性。まあ性別なんかどうでもいいという考え方はあるけれど、イラン人の名前だと性別がわからないので、そこは明示してほしかったと思った。

イラン人は神の国イランをどう考えているか
イラン人は神の国イランをどう考えているかアーザル ナフィーシー アッバス キアロスタミ レイラ アーザム ザンギャネー

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