テレビとかで学者系の人が言ってタレントを驚かせる言説、そんな感じ。まずインパクトあること言わないといけないので、科学的にはエビデンスが十分じゃなかったり、フェアじゃなかったり。統合失調症の遺伝率は80%、身長の遺伝率は60%と煽っておいて遺伝率の説明はコラム回し。だいたい発症するかしないかという疾患と、必ず存在する身長をどうして同じ係数で説明できるのか、そういう説明はなし。事象の複雑さに耐えられない時代にはこういうものがはやるんだなあ・・・。
サイコパス概念、最近また流行っている感じ。
さらにイギリスでは2000年に、精神科医たちの異議を無視して「危険で重篤な精神障害(DSPD)」に対する法律が制定され、その法のもとで危険だと考えられる人物を、たとえなんら犯罪を犯していなかったとしても、警官が逮捕し、検査と治療のためと称して施設に送ることができるようになっている。(p.115)
重大な事実誤認がありますね。イギリス政府からこういう提案があったのは確かだけれど、2002年に改正案が示されて、当然のごとく反対運動が起きて、上記の条項は削除された上、2006年に法改正が行われた。詳しくは下記論文参考。
こういう事実誤認があると、他の部分のデータも自分に都合よく歪めているのではないかと思っちゃう。
イギリスの新しい精神保健法/川本哲郎