初学者へのアドバイスについて

 このツィート見てちょっと思い出したので書いておく。

 

 

 

 福井大に勤めているときに神田橋條治先生が金沢に来るというので事例検討の発表を頼まれた。発表者はもうひとりいて、その人の発表のときに先生が発表者に「喪について基本的なことを理解しておいたほうがいい」といって、「何かいい本があるかな?」と話を振られた。それで「小此木先生が対象喪失という本を書いています」と答えたんだけど、自分で言うのも何だけどこういう役割に自分は適任だと思うし、自分の臨床の基本的なあり方だと思うわけ。神田橋先生は私についてそれほど個人的な情報をもっているわけではないんだけど、そういうことをスッというところが恐ろしい。

 気づくといつのまににかネットでも「分析の隠れ身と破れ見の出典は・・・」とかやっていて、これが神田橋先生とのやり取りの再演(神田橋先生はいないけど)だということに改めて気づくし、初学者の疑問に肩代わりすることなく丁寧に応えることの重要性を感じる。とにかくけちったり、相手を落としめたりしても何もいいことがないですよ。