童貞としての宮沢賢治/押野武志

 高橋源一郎宮沢賢治をテーマにした小説を書いたようだし、ちょっとしたオタクとしての宮沢賢治リバイバルですね。この本のことは「電波男」で知りました。
 臨床心理学・精神医学的な用語の使い方はやや甘いと思います。「共依存」の使い方は変だし、ダブルバインド理論を引くならば、今は統合失調症の発症理論としては誤っていることをつけくわえないと。
 宮沢賢治の作品についてはあんまり知らないのだけれど、「ガドルフの百合」で折れた百合の方が勝ちって、「どんぐりと山猫」でつぶれたどんぐりの方が偉いっていうのと同じじゃないのでしょうか。

童貞としての宮沢賢治
押野 武志

筑摩書房 2003-04
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