2013-09-01から1ヶ月間の記事一覧

「僕の父は母を殺した」/「新編 学問〈龍の巻〉」/「名画で読み解く「聖書」」/「写実画のすごい世界」

僕の父は母を殺した/大山寛人 犯罪被害者の家族が受けるさまざな苦しみとその支援に関しては犯罪被害者等基本法の制定もありようやく一定の関心が向けられるようになった。一方、近年は犯罪加害者の家族の苦しみについて書かれた書籍も出版されている。 統…

「ゴムあたまポンたろう」/「みみずのオッサン」

ゴムあたまポンたろう/長新太 ルフィはポンたろうをリスペクトして作成されたキャラです。嘘。ゴムあたまポンたろう (絵本・こどものひろば)長 新太 童心社 1998-03売り上げランキング : 92918Amazonで詳しく見るby G-Tools みみずのオッサン/長新太 エヴ…

「長谷川潾二郎」/「クノップフ」/「こうちゃん」/「赤い蝋燭と人魚」/「ヒドラ」/「「少年」のふろく」/「新編 学問 虎の巻」

長谷川潾二郎/小柳玲子 夢人館シリーズ。これも知らない画家だなと思って借りたら、実は新青年などに短編を執筆していた探偵小説家、林不忘=谷譲次=牧逸馬の弟の地味井平造だということでびっくりした。兄がジョージだから、きっとジミーなんだよね。静謐…

「大笑い!精神医学」/「クレイジー・ライク・アメリカ: 心の病はいかに輸出されたか」/「リカーシブル」/「光るキノコと夜の森」/「幽霊 思いをのこして死んだもの」/「妖怪 身近にいるあやしいもの」

大笑い!精神医学/内海聡 めんどぅーさ たしかに製薬会社のマーケティングや過剰投与いろいろ精神医学にも問題はあると思うけど、どっちかというとこの本の方が大笑いだと思いました。 放射能問題もそうだけれど、こういうセンセーショナルな結論を主張する…

フレンチ ラヴ・ポトフ

フレンチ ラヴ・ポトフ/那須恵理子 このタイトルに、このガーリーなカヴァー。誰も精神分析本だとは思わないですね。筆者はラカン派の精神分析家。フランスのラカン派は分裂しまくっていてよくわかりませんが、国際ラカン派精神分析協会所属だそうです。 日…

「ポール・ディラック: 人と業績」/「エロス礼讃―世界のエロティック・アート探訪」/「ミッドサマー・イヴ 夏の夜の妖精たち」/「浮世絵の極み 春画」/「メンデルスゾーン」/「ジョージア・オキーフ―人生と作品」/「えをかく」/「こんにちはへんてこライオン」/「ありがとうへんてこライオン」/「へんてこライオンがいっぱい」/「アブアアとアブブブ」/「ながいながいすべりだい」

ポール・ディラック: 人と業績/アブラハム パイス デイヴィッド オリーヴ モーリス ジェイコブ Abraham Pais NHKの「神の数式」が面白かったので読んでみた。「ディラックの海」というキーワードくらいしか知らなかったけれど、これはつまり陽電子の存在…

満天星みた

満天星みた/やまだ紫 エッセイ集。このころは独身で娘二人を育てていたんだね。「お勝手に」よりは読みやすかったけど、万引きした娘とお店に謝りに行って態度が悪いとお店に逆ギレはちょっといただけなかった。満天星みたやまだ 紫 大和書房 1985-12売り上…

「飛行士と東京の雨の森」/「北海道・ぐるりとことこ」/「夏目房之介の学問」

飛行士と東京の雨の森/西崎憲 作家・翻訳家、西崎憲さんの短篇集。「理想的な月の写真」、クライアントの要望で自殺したクライアントの娘の鎮魂曲をつくることになった作曲家の話。個人的に偶然の一致があって読後に感慨にふけった。 「奴隷」、SF的設定で…

「くまとやまねこ」/「ぼおるぺん古事記 三: 海の巻」/「チロ愛死」/「リチャード・ダッド」/「七夜物語」/「女子と作文」/「三島由紀夫の家」/「くさはら」/「こりゃまてまて」/「図説 江戸の幽霊」/「おまつりの日に」/「どうぞお勝手に」

くまとやまねこ/湯本香樹実 酒井駒子 たいせつなものを失うこと、その喪にふくすること、再び生きること。酒井駒子さんの画像化がもうこれ以外は考えられないと思うくらい凄い。傑作ですね。くまとやまねこ湯本 香樹実 酒井 駒子 河出書房新社 2008-04-17売…

「ヨハネスブルクの天使たち」/「ノックス・マシン」/「デフレ化するセックス」/「水木少年とのんのんばあの地獄めぐり」

ヨハネスブルクの天使たち/宮内悠介 「盤上の夜」に続く第二短篇集で前作に引き続いて直木賞候補。すぐに連想するのはディック、ただやっぱりちがうのは、ディックの世界観が基本的には冷戦構造に基づいていたって言うこと。それはディストピアではあっても…

「ぼくらの昭和オカルト大百科」/「永島慎二の世界―1962年から1972年アンソロジー」/「まんがで読む古事記 第4巻」

ぼくらの昭和オカルト大百科/初見健一 超能力、心霊写真、UFO、ネッシー、ツチノコ、ノストラダムス、こっくりさん・・・オカルト漬けだった70年代を振り返る。同時代を生きた者としては、テーマがいろいろあってちょっとつっこみが浅いかなと言う感じで…

「マリリン・モンロー魂のかけら」/「赤ずきん」/「銀河鉄道の夜」/「フーテン」/「まんがで読む古事記 2・3巻」/「キャッスル」/「保存版 古写真で見る失われた城」/「マンガでわかる超ひも理論」

マリリン・モンロー魂のかけら/スタンリー・バックサル ベルナール・コマーン 精神分析はマリリン・モンローを救えなかった。「芸術家伝説」、「芸術の精神分析的研究」など日本でも著作が翻訳されている精神分析家のエルンスト・クリスの妻マリアンネは、…

「本と図書館の歴史」/「愛しのチロ」/「擬人化たん白書」/「ゆうちゃんとしんくんとへんてこライオン」/「しんくんとへんてこライオン」/「まねっこねこちゃん」/「ねむる」

本と図書館の歴史−ラクダの移動図書館から電子書籍までー/モーリーン・サワ ビル・スレイヴィン バビロニア、アレクサンドリア、イスタンブール・・・図書館の歴史はいつも絶滅と喪失の歴史だね。多くの書籍が失われて、ほんの少しだけが現代に伝えられてい…

「サリヴァン、アメリカの精神科医」/「絵本 化鳥」/「ちょっとまって」

サリヴァン、アメリカの精神科医/中井久夫 日本を代表する精神科医、中井久夫先生が対人関係学派の祖、ハリー・スタック・サリヴァンについて書いた文章と翻訳本の後書きをまとめたもの。後書きは元本で読めるので、読みどころは書籍化されていない二つの文…

ゆめたまご

ゆめたまご 絵本作家の日本デビュー作。幻想的な画風で凄い才能だと思います。ゆめたまごたかの もも フレーベル館 2012-11売り上げランキング : 707671Amazonで詳しく見るby G-Tools フランスやドイツではすでにグリム童話の絵本が出ているのですね。早く日…

ひらがな暦 三六六日の絵ことば歳時記

ひらがな暦 三六六日の絵ことば歳時記/おーなり由子 日本の一年のうつりかわりをおーなり由子さんのかわいいイラストと文章で辿る。四季のはっきりした日本に生まれたことを幸せに思う一冊。ひらがな暦 三六六日の絵ことば歳時記おーなり 由子 新潮社 2006-…

アートで見る 医学の歴史

アートで見る 医学の歴史/ジュリー・アンダーソン エマ・シャクルトン エム・バーンズ 矢野 真千子 SSRI「パキシル」を販売している製薬会社グラクソ・スミスクラインの母体のひとつである製薬会社ウェルカム。そのその創始者であるヘンリー・ウェルカムが…

精神分析が面白いほどわかる本

精神分析が面白いほどわかる本/心の謎を探る会 「史上最強図解よくわかるフロイトの精神分析」のライヴァル本のひとつかと思って借りてみました。新刊かと思ったら2004年の同名書の新装版みたい。したがってたとえ話も「アムラー」とかちょっと古いです。映…

躁鬱なんです、私。

躁鬱なんです、私。/藤臣柊子 昔のコミックエッセイではうつ病でしたが、現在は双極性Ⅱ型に診断がかわったというマンガ家藤臣柊子さんのコミックエッセイ。巻末に精神科医の大野裕との対談あり。躁鬱なんです、私。 (一般書)藤臣柊子 ポプラ社 2013-02-14売…

まんがで読む古事記 第1巻

まんがで読む古事記 第1巻/久松文雄 国生みから八岐大蛇退治まで。学習マンガをちょっと大人向けにした感じ。まんがで読む古事記 第1巻久松 文雄 青林堂 2009-08-06売り上げランキング : 4498Amazonで詳しく見るby G-Tools関連商品 まんがで読む古事記 第2…

神様が殺してくれる

神様が殺してくれる/森博嗣 久々にミステリっぽい感じ、また耽美少女マンガらしくてよかったです。神様が殺してくれる森 博嗣 幻冬舎 2013-06-27売り上げランキング : 56770Amazonで詳しく見るby G-Tools関連商品 赤目姫の潮解 LADY SCARLET EYES AND HER D…

「ぼおるぺん古事記 (二): 地の巻」/「カラヴァッジオ」/「待っている犬 東日本大震災で被災した犬猫たち」

ぼおるぺん古事記 (二): 地の巻/こうの史代 古事記マンガは数あれど、これを越えるものはもうでないのではと思う。オオクニヌシと天孫降臨の途中まで。ぼおるぺん古事記 (二): 地の巻こうの 史代 平凡社 2012-09-27売り上げランキング : 401Amazonで詳しく…

「ヨーロッパ思想入門」/「水木しげるの古代出雲」/「DOORS」

ヨーロッパ思想入門/岩田靖夫 確か呉智英師の対談本で取り上げられていたので読んでみました。岩波ジュニア文庫なんだけれど、これはシニアも読まないともったいないです。 ギリシア思想、ヘブライズムが三分の二、ヨーロッパ哲学は確かに少しあっさりして…

メタボリズム・トリップ

メタボリズム・トリップ/チャーリー コールハース メタボリズム(新陳代謝)っていまじゃ、メタボリック・シンドローム、いわゆるメタボにしか結びつかないけれど、日本建築のムーブメントでもあったんだね。 ちょうどテレビに若尾文子が出ていて亡くなった…

JORGE JOESTAR

JORGE JOESTAR/舞城王太郎 荒木飛呂彦 「ジョジョの奇妙な冒険」のスピンアウトノベライズ。物語にはほとんど登場しない、ジョナサンの息子、ジョセフの父親、ジョージに焦点をあてたのは面白かったけれど、九十九十九はでてくるわ、ジョージは日本人になっ…

水木しげるの遠野物語

水木しげるの遠野物語/水木しげる マンガだけじゃなくてちょっと非マンガ部分があるからということで相互貸借してくれました。へんなの。 遠野物語と水木しげる先生ワールドが融合。本当は原作水木しげるなのではという気までしてくる。 そういえば津波で亡…

ヘンゼルとグレーテル

ヘンゼルとグレーテル/ワンダ・ガアグ 佐々木マキ 佐々木マキ版「ヘンゼルとグレーテル」。翻訳もやっています。ちょっと諸星大二郎っぽいイラストですね。ヘンゼルとグレーテル (世界傑作童話シリーズ)ワンダ ガアグ 佐々木 マキ 福音館書店 1993-04-30売…

20/20

20/20/木地雅映子 木地雅映子さんから Kindle 本を頂きました! Amazon.co.jp と Aamzon.com のライブラリ統合ができず苦しみましたが、iPad で読み始めたらいっきに読んでしまいました。死者と生者を繋ぐ希望の物語。読もうよ。20/20木地雅映子 諏瑛ニレ …

「飛びたかった人たち」/「あんたがサンタ?」/「おばけがぞろぞろ」/「そらとぶテーブル」

飛びたかった人たち/佐々木マキ アニメ映画「風立ちぬ」や「プレインズ」でちょっとした飛行機ブームですが、個人的に飛行機から連想する作家はもちろん宮崎駿と、森博嗣、そして佐々木マキ。 ライト兄弟のフライヤー1号に至る前史としての「タワー・ジャン…