安徳天皇漂海記/宇月原晴明

 宇月原晴明の伝記シリーズの第5作目。アンドロギュノスの信長、秀吉、斎藤道三松永久秀と戦国時代で主人公はどんどんとマイナー化していましたが、今回は戦国を離れ、平家とともに入水した安徳天皇源実朝マルコ・ポーロを通じて描いています。安徳天皇南宋の幼帝、高丘親王を水葬される世界の長子水蛭子の権化として描くという発想は作者ならでは。倍の厚さの本でもよかったです。

安徳天皇漂海記
安徳天皇漂海記宇月原 晴明

中央公論新社 2006-02
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