「地雷―1億1000万個の悪魔」/「ぺるそな」

地雷―1億1000万個の悪魔/三留理男

 この本が出版された1998年時点で最も地雷が撤去されずに残っていたのはボスニア・ヘルツェゴビナ、ついでカンボジアカンボジアには人口の数を越える地雷が埋まっており、その爆発で手足を失った人が数万人いたということだ。
 ぐぐってみるとさすがに地雷での事故は減り、むしろ不発弾の爆発による事故の方が多くなっているという。日本でもいまだに不発弾が発見されることがあうのを考えるとまだまだ処理には時間がかかりそうだ。


カンボジアにおける地雷・不発弾の事故状況


 戦場を取材してきた筆者にとっては地雷が他の兵器に比べて残虐であるという意識はなかったという。それはそうだろうロケット砲にしろ、ナパーム弾にしろ地雷より効率的に多くの人間を殺傷できるわけだから。それでも対人地雷という戦争の禍根を失われた手足という目に見える形で残す兵器をきっかけに戦闘に一定の歯止めをかけることには意味があるのだろう。そして地雷の一番大きな問題は戦闘が終わった後でさえ事故が起こりうるということだ。たくさんの子どもも犠牲になっている。

地雷―1億1000万個の悪魔 (三留理男アジアを歩く)
地雷―1億1000万個の悪魔 (三留理男アジアを歩く)三留 理男

草の根出版会 1998-05
売り上げランキング : 1240030

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

ぺるそな/鬼海弘雄

 ひとくせありそうな人物たちを写した写真集。著者のキカイって名前もひとくせありそうだし、夢野久作が好きでマントを着ているエンジニアの人とか、ほんとうにそれ系の小説に出てきそうです。見たのは普及版で大型判とは内容に変更があるようです。

ぺるそな
ぺるそな鬼海 弘雄

草思社 2005-10
売り上げランキング : 237092

Amazonで詳しく見る
by G-Tools
東京ポートレイト 東京夢譚―labyrinthos 眼と風の記憶――写真をめぐるエセー うたたね センチメンタルな旅・冬の旅

2012年12月28日のつぶやき