建築のエロティシズム/田中純
世紀末のウィーンにはフロイトはもちろん、ウィトゲンシュタイン、クリムト、シーレ、ココシュカ、マーラーらそうそうたる人物達がさまざまな人間模様を繰り広げていた。ウィトゲンシュタインの姉マルガレーテをクリムトは描き、またマルガレーテはフロイトとも親交があった。マーラーはクリムトと交際が噂されたアルマと結婚するが、関係が冷えると夜中に夫人がいることを確かめずにおれないという強迫症状を訴えてフロイトの診察を受けた。マーラー亡き後、アルマは画家のココシュカと恋愛関係に陥り、ココシュカはそれを油絵に残す。アルマがココシュカの元を去ると、ココシュカはヘルミーネ・ムースにデッサンと詳細な要望とともにアルマ人形の製作を依頼。このココシュカのピグマリオニズムについてこの本を読んで知って大変興味深く思った。
この本の主人公はウィーン分離派など世紀末の過度の装飾を批判し「装飾と犯罪」という著作で、一種の変質論としてナチスの頽廃芸術論の魁ともなった建築家のアドルフ・ロースだ。後にナチスのユダヤ人の「変質」概念で顕著に表れ、オットー・ヴァイニンガーのミソジニーにもその萌芽が見られる世紀末の奇妙な進化思想の流れは、横山茂雄の名著「聖別された肉体」に詳しい。ここら辺のことはもう少しつっこんで勉強したい。
確かに建築関係がベースなんだけれど、もっと広い思想的な流れを扱った著作なので、タイトルはもっといいものがあったのではないかなと思った。
汎虚学研究会/竹本健治
ミステリーランド「闇の中の赤い馬」からもう9年ですか。「闇の中の赤い馬」に登場した汎虚学研究会(まあ古典部みたいなものですね)の四人を主人公にした連作短篇。というか「闇の中の赤い馬」も収録されてます。ミステリーランドはいろいろ制約があって難しかったのでしょうね。並べて見ると作者のやりたかったことがもうちょっとはっきりと見えてくるようです。初期恩田陸のような少女マンガの強い影響を受けた頭のよい男の子や女の子が活躍する物語。「世界征服同好会」がよかったです。続くのかな?
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夢の棲み家/黒崎 敏 ビーチテラス
いろいろな不思議な家があるね。それにしても地震や津波をあまり考慮せずに家を作れる環境というのは羨ましい。
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長崎の夜景が小リオ・デジャネイロという感じで一番綺麗かな。
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京都坪庭拝見/水野克比古
近くに気軽に行けるこんな坪庭が会ったらいいのにな。それより自分の家の庭をもうちょっと綺麗にしたらいいんですけど。
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ガンガー 母なるインドの聖河―松本栄一写真集
インドにいったときはガンガーの沐浴で有名なバナラシーやブッダ入滅の地、クシナガラにも行ってきました。
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