「ペコロスの母に会いに行く」/「モガ・オン・パレード――小野佐世男とその時代」

ペコロスの母に会いに行く岡野雄一

 アルコール依存症でありすでに亡くなった父親。そして認知症となって施設に入所した母親と息子の悲しくもおかしなやりとり。
 年を取ると生者と死者の区別は曖昧になっていくんだろうね。
 長崎で被ばくしたお母さんの苦労や哀しみがありながらも幸せだった人生と、現在が交じっていく。

ペコロスの母に会いに行く
ペコロスの母に会いに行く岡野 雄一

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モガ・オン・パレード――小野佐世男とその時代/小野佐世男展実行委員会

 1905年生まれのマンガ家小野左世男の作品集。グラマーな女性の健康的なエロスを描いた作家。マリリン・モンロー来日の際、彼女にインタビューして絵を描く予定だったが、途中立ち寄った日劇ミュージックホール心筋梗塞を起こして亡くなる。さぞ無念だったことだろう。
 現在は削除されているがウィキペディアにはかつて「裸エプロン」という項目が立てられていて、「1970年代の青春映画、ポルノ映画においてはヌードよりも検閲が少なくエロティシズムを演出できる苦肉の策であった」とその起源を70年代においている。しかし、小野左世男の描いた1948年3月1日の「裸踊りの女を女房にもてば」では、貧弱な亭主に対して、明らかにアメリカ女性と思われる背が高くグラマーな裸エプロンの妻が給仕を行っている。そう考えると、裸エプロンの起源は敗戦後の日本がアメリカ女性にの豊満さに対して感じた劣等感や羨望が基礎になっているのではなかろうか。

モガ・オン・パレード――小野佐世男とその時代
モガ・オン・パレード――小野佐世男とその時代小野佐世男展実行委員会

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2013年08月21日のつぶやき