たましいの共鳴 コロンバイン高校、附属池田小学校の遺族が紡ぐいのちの絆

たましいの共鳴 コロンバイン高校、附属池田小学校の遺族が紡ぐいのちの絆/ドーン・アナ ブルース・ベック 酒井 肇 酒井 智惠 池埜 聡

 日米ふたつのいたましい学校での無差別殺人の遺族たちの語り。突然子どもを奪われることは子どもを巡って語り継いできた大切な物語を突然に断ち切れることになる。そして別の形に書き換えられた物語が、遺族たちとは関係ないところでジャーナリズムで繰り返し語られ続ける。子どもたちの物語を自分たちのもとに取り戻すた長い戦い、言い得ぬ怒り、たとえつらいことであっても真実を求める強い意志、そして静かにそれを支える人たち。池田小学校事件遺族の酒井さんの場合、その力によって警察もDNA鑑定に動き、娘さんが亡くなる前に血をながしながら59m移動したという事実が明らかになる。しかし、奪われた物語を補うかのように子どもたちがご両親に不思議な語りを残していることにこころをうたれる。亡くなられたローレンさんが両親あてに遺書を書いていたこと、麻希さんが亡くなる前に天使の絵を描き、救急車のことを気にしていたこと。

たましいの共鳴 コロンバイン高校、附属池田小学校の遺族が紡ぐいのちの絆
たましいの共鳴 コロンバイン高校、附属池田小学校の遺族が紡ぐいのちの絆ドーン・アナ ブルース・ベック 酒井 肇 酒井 智惠 池埜 聡

明石書店 2013-06-06
売り上げランキング : 762003

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

関連商品
犯罪被害者支援とは何か―附属池田小事件の遺族と支援者による共同発信
宅間守 精神鑑定書――精神医療と刑事司法のはざまで
性犯罪報道 (中公文庫)
死別の悲しみに向き合う─グリーフケアとは何か (講談社現代新書)

2014年07月16日のつぶやき