殷 - 中国史最古の王朝

殷 - 中国史最古の王朝/落合淳思

 ずっと殷が本来の名前で商が外からの呼び名だと思っていた。(実際は名前はなく、殷が外からの名前で、商は後期の首都の名前)。そういう実証的実像の殷という国を知るには良い本。日本でもこの天皇は架空みたいな仮説はよくたてられるけど、甲骨文字という実証があるから古代中国の場合は空論にならないね。これでいったら史記史観なんてほとんどデタラメ。後代から挿入された王統もかなり説得力がある。ずっと殷は古代日本のように呪術的な意味付けから遷都を繰り返していたと思っていたけれど、そうじゃないということでした。侯というのは殷代の地方領主の名前で犬候、倉候、攸候などがあったなどという細かい情報も面白い。

殷 - 中国史最古の王朝 (中公新書)
殷 - 中国史最古の王朝 (中公新書)落合 淳思

中央公論新社 2015-01-23
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2015年03月05日のつぶやき