ムーミンと精神分析

ムーミン谷のクリスマス/トーベ・ヤンソン ラルフ・ヤンソン

 精神分析家のシュリンケル博士が登場する「イチジク茂みのへっぽこ博士」がおもしろかった。

 

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 フライパンの帽子をかぶってボタン収集に耽溺するクロットユールはミムラに恋しているけれど、ちぐはぐな行動で愛想をつかされる。ムーミンはクロットユールに自信をつけさせようとしてシュリンケル博士のもとに連れて行くが、博士はスパイを恐れるパラノイア気質の変人でクロットユールをカウチに寝かせて話を聞く。クロットユールと博士はボタン収集という共通の趣味で意気投合。自分も博士に診療してもらいたいというスノークのお嬢さんをみてムーミンは嫉妬し、おばけに博士を怖がらせてムーミン谷から追い出そうとする。博士がムーミン谷を去ろうとするので悲しむクロットユールを見て、ムーミンは葛藤し、今度は患者を紹介して博士を引き留めようとする。スノークのお嬢さんは分析を受け、博士を引き止めるためにはみんなで狂ったふりをする必要があると言い出し、ムーミン一家はみんなで狂ったふりをしていると博士はムーミンたちを檻の中に閉じ込める。ムーミンたちを助け出そうとしてクロットユールは火薬で鍵を爆破。意識を失う博士を介抱するミムラにクロットユールは腹を立てる。意識を取り戻した博士はまともな医師になり、クロットユールはスクルッタという新しいガールフレンドを見つける。博士の分析でおかしくなってしまった所長さんやフィヨリンカを元に戻そうとして、ムーミンママは所長さんには好きだったバラのことを、フィヨリンカには社交生活のことを思い出させると、ふたりは元の性格に戻った。ムーミンママの関わりに博士は文句をつけ、「フクザツな潜在意識のかたまり」のムーミンにリラックス剤を調合。それを飲んだムーミンはどんどん小さくなって消えてしまう。

 

 なかなかぶっ飛んだ話で他の話とのギャップが大きい。ムーミンママの精神療法的なアプローチがいい感じ。

amzn.to

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