nobuさんのトラックバック企画(その後)

 3月8日の記事へのクリームパンさんのコメント
 http://d.hatena.ne.jp/you999/20050308


クリ−ムパン 『私も2004年10月の臨床心理士資格認定試験に合格し、11月の2次試験で面接官から「教師をしていた人はケ−スに入り込む傾向があるので臨床心理士に向いていない」という内容のことを言われました。私が教師をしていたのは20年も前のことなのですが。このような先入観で判断する2次試験は公正を欠いていると思われてなりません。臨床心理士認定教会の2次試験の判定は何をもってするのか明らかにしてほしい。強く望みます。』
 ほんとにひどい対応をする面接官がいるのですね。特に経験が浅いうちには、「ケースに入り込まない」ことの方がよっぽど問題だと思いますが・・・
 私も担任が担当生徒にカウンセラー的な関わりをするのは、なかなか難しいことと思います。それは多重関係であるという理由ではなく、教師というサブグループのなかの「生徒に対して特別扱いをしない」という暗黙の了解に反してしまうことが主な理由です。
 私自身は]]コンバインド[[・セラピー(セラピストがグループセラピストと個人セラピストを兼任する)を推奨する立場にありますから、多重関係というのは非倫理的なものと、関係の差異が成長促進的なものと分けて考える必要があると思っています。
 県の教育研究所・教育センターには専任の教師カウンセラーが配置されていたりしますし、各校巡回形式の教師カウンセラーを設置している県もあります。現職の教師でも、臨床心理士資格をとりたいという人は当然いるはずでしょうに・・・
 クリームパンさんが受けたしうちは他職種に対する蔑視にしか思えません。

 思うに、今の臨床心理士養成課程でも開業個人面接モデルが強調され、コミュニティモデルが軽視されすぎているのではないかということです。デイケアなどの地域精神医療も、なんだか、開業個人面接に比べると低く見られているなあと思って残念です。
 そういう気持ちはわからなくはありません。私もかつて一般総合病院で心理職をやっていて、単科精神病院のデイケアに転職したときは、本当に個人面接を継続することができるのか心配になったことを思い出します。
 まあ、実際にコミュニティの中で心理の仕事をしてみると、コミュニティの中でグループセラピーを行うこと、退院の不安を支えること、デイケアで起こってくる様々な問題に対して、集団力動という視点からスタッフの中でのイニシャチブをとることの重要さがわかってきました。こういうことってなかなか大学院では学べないのかなあと思ってしまうことが、医療心理師の大学卒という用件を容認していることにも繋がっています。
 ロテ職人さんがコミュニティの中での実際的現実的なマネージメントはソーシャルワーカーの仕事ではと発言されていましたが、部分的には賛成します。私が勤めていた精神病院は当時ワーカーがいなかったので、心理職が現実的なサポートも内面的なサポートも行っていました。必要なのは、アメリカのワーカーのように精神療法もできるワーカーか、あるいは現実的なマネジメントがもっとできる心理職なのだと思っています。