性暴力の理解と治療教育/藤岡淳子

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 読むのが遅れて2006年のベストに入れそびれた。僕がこういう方面の事例に関わったのはほんのわずかだけど、それだけでも性犯罪を巡る事例の困難さは想像がつく。いろいろ社会的な制度の整わない中、厚生するかどうかがはっきり結果に表れるようなプレッシャーのもとで地道な取り組みには頭が下がる。性犯罪のほとんどは衝動的なものでない、など知識の薄いものにとってはいろいろ発見もある。
 ひとつ疑問は性犯罪者が更生プログラム中にマスターべーションをスリップ(アルコール依存の人がお酒を飲んでしまうような体験)と考えるっていうのは、青少年にとっては過酷なんじゃないかと思うんだけどどうなんだろう。
 巻末にプログラム受講者のためのワークブックが掲載されている。巻末に資料が載ってる書籍ってよくあるけれど、あんまり役に立った記憶がない。このワークブックは翻訳物だけど、実践を通じて日本語に翻訳されたという感じがよく伝わってくる。お薦め。

性暴力の理解と治療教育
性暴力の理解と治療教育藤岡 淳子

誠信書房 2006-07
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