crime

性犯罪者それとも被害者?

オハイオ州の Licking Valley 高校(谷舐め高校?)の15歳の女子高校生が携帯電話に友人のヌード写真を撮っていたのを高校の職員に見つかり、警察に通報された結果、子どもポルノ法違反の性犯罪者として記録され、数年留置される可能性があるという。 http://d…

1924年の大学生による誘拐殺人とフロイト

同性愛関係にあった裕福なシカゴ大学の男子学生ふたりが完全犯罪をもくろみ高校生を誘拐し殺害。無期懲役に処される。ひとりは獄中で殺され、もうひとりは仮釈放される。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AC%E3%82%AA%E3%83%9D%E3%83%AB%E3%83%89%E3%81…

「非行」が語る親子関係/佐々木譲・石附敦

家裁調査官による非行少年の援助から浮き彫りにされる家族関係。ほんの20年前の本なのだが、何だか随分昔の話のような気がしてしまう。訪問面接を含むねばりづよい関わりには頭がさがる。いまでいう「ひきこもり」事例も掲載されているが、司法がらみなので…

戦前の少年犯罪/管賀江留郎

【購入数】★ 確かに少年犯罪は「凶悪化」してるんだよね。少年犯罪が減少し、報道が過剰になって、センシティビティが高まって「凶悪化」というコンストラクトが発生したわけ。 これでもかと繰り返される記述と揶揄的な口調にはげんなりすることもあるけれど…

悲しみの子どもたち―罪と病を背負って/岡田尊司

罪と病という二重の試練を背負った子どもたち。 医療少年院で、精神科医として彼らと向かい合う著者が、多くのケースとの関わりを通して、異常な行動の根底にある問題に迫っていく。 なぜ、彼らは自らを傷つけ、他人を害さねばならなかったのか。 想像もつか…

被告人との対話―精神鑑定 裁判員制度導入と医療観察法/清田一民

副題はほとんど内容に関係ありません。著者は精神科医で、昔の精神鑑定の調書に解説をつけてほぼそのまま本にしたもの。被告人との対話―精神鑑定 裁判員制度導入と医療観察法清田 一民 熊本出版文化会館 2007-04売り上げランキング : 680984Amazonで詳しく見…

犯罪・非行の心理学/藤岡淳子 編

【購入数】★ 入門書としてはよくまとまっていると思います。レファランスも充実。犯罪・非行の心理学藤岡 淳子 有斐閣 2007-03売り上げランキング : 13189Amazonで詳しく見るby G-Tools関連商品 性暴力の理解と治療教育 犯罪心理学―犯罪の原因をどこに求める…

光市母子殺害事件 野田正彰氏のコメント

弁護側の証人に精神病理学者が立ったという記事を読んだので検索してみました。関西学院大学の野田正彰教授ですね。麻原彰晃被告の精神鑑定など有名裁判にはいろいろ関わってらっしゃるようです。加害者の「死刑になってあの世にいったら自分が被害者の夫に…

光市裁判 なぜテレビは死刑を求めるのか 年報・死刑廃止 06/年報・死刑廃止編集委員会 編

私たち、実務的な現場の人間、事件を取り扱った人間からすると、本件だけが取りたてて残虐であるわけではないのです。 p.11 安田好弘「光市最高裁判判決と弁護人バッシング報道」 それはやっぱり感覚が麻痺してるんじゃないだろうか。対談『「凶悪犯罪」とは…

青春と非行/山口幸男 加藤幸雄

青春と非行―非行の発達心理学 (1980年)山口 幸男 加藤 幸雄 ミネルヴァ書房 1980-01売り上げランキング : Amazonで詳しく見るby G-Tools

心にナイフをしのばせて/奥野修司

【購入数】★ 1969年に起こった高校生による同級生の首切り殺人が、被害者家族に与えた破壊的な影響を描くノンフィクション。 書影を見ただけでは小説なのかノンフィクションなのか判然としませんが、これは文章の内容にも現れていて、客観的な事実の記載とい…

僕はパパを殺すことに決めた 奈良エリート少年自宅放火事件の真実/草薙厚子

【購入数】★★★★★ 奈良で起きた高1の長男が自宅に放火し、義母と異母きょうだい2人を殺した少年犯罪に関するドキュメント。父親である医師の過剰な教育への執着と家庭内暴力。もちろん彼が犯した犯罪は許されないけれど、こうなる前に介入の方策はなかったの…

頭上の異界 不信の国の若者たちと重大少年事件/杉本研士

【購入数】★ 医療少年院に勤務する精神科医からみた少年犯罪の断面。途中、お説教モードに入るところがややしんどい。頭上の異界 不信の国の若者たちと重大少年事件杉本 研士 講談社 2006-04-18売り上げランキング : 189573Amazonで詳しく見るby G-Tools関連…

非行少年の加害と被害/藤岡淳子

【購入数】★★★ 内容(「BOOK」データベースより) 非行を対人関係における暴力という枠組みでとらえ、非行臨床の現場における実践と、米国における新たな非行理論による理解とを武器に、今、非行少年に社会としてどう働きかけるかを模索した書。内容(「MARC…

被害者と加害者の対話による回復を求めて 修復的司法におけるVOMを考える/藤岡淳子 編著

VOMとは Victim Offender Mediation の略。この"Mediation" を「和解」と訳すことに被害者支援運動の小西聖子先生が批判を加えているけれど、それはその通り。「修復」も「和解」にも価値判断が含まれている。タイトルの「対話」でさえ「お互いに歩み寄る」…

複合犯罪/作田明

殺人、放火、ドメスティック・バイオレンスなどの法精神医学の事例集。ひょっとして作田先生が担当した精神鑑定をほとんどそのまま5件のせてちょっと考察しただけ?http://www.sakuta-akira.com/index.html 複合犯罪作田 明 勉誠出版 2005-05売り上げランキ…

累犯障害者/山本譲司

自閉症と診断されたレッサーパンダ男による通り魔殺人、聴覚障害者のヤクザ、殺人者、知的障害者の売春婦など司法における障害者の暗部と機能しない福祉行政を描く。累犯障害者山本 譲司 新潮社 2006-09-14売り上げランキング : 291Amazonで詳しく見るby G-T…

性暴力の理解と治療教育/藤岡淳子

【購入数】★ 読むのが遅れて2006年のベストに入れそびれた。僕がこういう方面の事例に関わったのはほんのわずかだけど、それだけでも性犯罪を巡る事例の困難さは想像がつく。いろいろ社会的な制度の整わない中、厚生するかどうかがはっきり結果に表れるよう…

児童性愛者/ヤコブ・ビリング

内容(「BOOK」データベースより) 世界で唯一、合法の「児童性愛愛好者協会」。取材班は、手始めにぼくを児童性愛者として会に送り込むことを決定した。初めて出席する会合にそなえて、ぼくは児童性愛をとりあげた本を手当たり次第に読みあさった。インテリ…

14階段ー検証新潟少女9年2ヶ月監禁事件ー/窪田順生

新潟の少女監禁事件のドキュメント。著者はフライデーの元記者で、犯人の母親を拉致現場に連れて行くなど、あざとさが目立った。14階段ー検証新潟少女9年2ヶ月監禁事件ー窪田 順生 小学館 2006-04-01売り上げランキング : 89084Amazonで詳しく見るby G-Tools…

刑法三九条は削除せよ!是か非か/呉智英 佐藤幹夫 編著

刑法三九条は削除せよ!是か非か呉 智英 佐藤 幹夫 洋泉社 2004-10売り上げランキング : 47533Amazonで詳しく見るby G-Tools関連商品 言葉の常備薬 ハンディキャップ論 自閉症裁判―レッサーパンダ帽男の「罪と罰」 現代人の論語 狂気と犯罪―なぜ日本は世界一…

自閉症裁判/佐藤幹夫

2001年4月、浅草で起きたレッサーパンダの帽子をかぶった男による通り魔殺人のルポルタージュ。 著者は障害児教育に関わった経験を持つジャーナリスト。弁護側の証人として児童精神科医の高岡健先生。 事件の詳細はこの本を読んで初めて知りました。もちろん…

刑法39条はもういらない/佐藤直樹

筆者の専門は奥付によれば、刑事法学、現象学、世間学。ドイツ刑法の成立を通じて、日本の刑法第39条「心神喪失者の行為は、罰しない。心神耗弱者の行為は、その刑を減軽する」の廃止を訴える。 刑法39条はもういらない佐藤 直樹 青弓社 2006-06売り上げラン…

性的攻撃/D.J.West, C. Roy & F.L. Nichols

1978年出版の古い本ですが、カナダ、ブリティッシュコロンビア州地域精神医療センターでの強姦犯に対する集団精神療法などの矯正措置や事例研究がまとめられています。もう30年も前なのに日本の性犯罪者への矯正教育はこれからがスタートライン・・・お寒い…

夢のなか、いまも/宮崎勤

幼女連続殺害事件死刑囚宮崎勤と雑誌「創」編集者との往復書簡。 拘置所ではずっと統合失調症として治療を受けながら、精神鑑定ではパーソナリティ障害として死刑判決を受けるこの矛盾。もちろん彼の行った犯罪は死刑に値するとは思うが、彼の有り様を知ると…

ホラーハウス社会/芹沢一也

【購入数】★ 少年法改正と心神喪失者等医療観察法の成立となる社会背景に焦点を当てています。増加していない少年犯罪、精神医療関連犯罪という視点の復習には良いと思います。 ただこのタイトルはどうかな。筆者は「少年」や「異常者」をモンスターにしたて…

東電OL殺人事件/佐野眞一

【購入数】★ 桐野夏生「グロテスク」のモデルとなった売春を行っていた東京電力エリートOL殺人事件のルポルタージュ。全体としては被告人のネパール人の冤罪事件という側面に焦点が当たっているが、最後のほうで精神科医の斎藤学氏が登場して、被害者の心理…

少年A矯正2500日全記録/草薙厚子

【購入数】★★ 神戸の連続児童殺傷事件の犯人少年Aの医療少年院での矯正のルポルタージュ。 司法矯正領域っていうのはやっぱりしんどい仕事だね。通常のセラピーには、本人のモチベーションという逃げ道がある。少年Aのような事例には、こういう逃げ道は許…

オレステス・コンプレックス/片田珠美

「攻撃と殺人の精神分析」の著者の第一著作集。「攻撃と殺人の精神分析」でも取り上げていた症例が、章ごとに何度も取り上げられている。著作集にする時点でもう少しまとめられなかったものかと思う。 象徴はまずものの殺害として現れる(Lacan) Apophanie (C…

追跡!「佐世保小六女児同級生殺害事件」/草薙厚子

【購入数】★★ 著者は元法務省東京少年鑑別所法務教官で現在はジャーナリスト。転職は正しかったなあと思わせる一冊というか、なぜ少年鑑別所なんかに勤めてしまったのか。 加害女児を「普通の子ども」じゃないという直感のもとにアスペルガー障害とラベリン…