VOMとは Victim Offender Mediation の略。この"Mediation" を「和解」と訳すことに被害者支援運動の小西聖子先生が批判を加えているけれど、それはその通り。「修復」も「和解」にも価値判断が含まれている。タイトルの「対話」でさえ「お互いに歩み寄る」という含みを持つという点で肯定的に偏るという印象を受ける。あくまで Mediation は「仲介」にすぎない。とくに死者を伴うような重大事件の場合、被害者のニーズが最優先となろう。その意味では小西先生がいう軽微な少年犯罪がVOMの適応だという主張はもっともなところ。確かに、殺人、傷害致死などの重い罪の場合の例外的な「和解」の例は載っているけれど、それを当たり前のこととしてはいけない。
未成年への性犯罪の加害者も匿名で寄稿している。
被害者と加害者の対話による回復を求めて―修復的司法におけるVOMを考える | |
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