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安永浩先生をお訪ねして

鈴木茂先生に臨床精神病理 28(3),2007 の抜き刷りを頂きました。「日本の精神病理学・回顧と展望(11) 安永浩先生をお訪ねして」 ファントム理論の安永先生をお訪ねしています。聞き手は鈴木先生と内海健先生。これから読みます・・・

メンタルクリニックの脳科学/中込和幸・高沢悟・工藤紀子

メンタルクリニックの脳科学中込 和幸 工藤 紀子 高沢 悟 勁草書房 2005-07売り上げランキング : 546275Amazonで詳しく見るby G-Tools

若者の心の病―青春期内科の現場から/森崇

筆者は北九州津屋崎病院副院長で心療内科医。全国で唯一「青春期内科」を標榜している。入院にあたっては罰点制を取り入れていて、罰点がたまると強制退院とのこと・・・。若者の心の病―青春期内科の現場から森 崇 高文研 2007-10売り上げランキング : 21681…

臨床心理学にとっての精神科臨床―臨床の現場から学ぶ/渡辺雄三・総田純次 編

【購入数】★★★ 薬物療法や脳の研究の飛躍的な進展を通じて一般医学化の傾向を強める精神医学、心理療法や心理査定に片寄りがちの臨床心理学、その相互離反がもたらす危機的状況に取り残されるクライエントたち―。 第一線の精神科医と心理臨床士が豊富な臨床…

知っておきたい精神医学の基礎知識―サイコロジストとコ・メディカルのために/上島国利・上別府圭子・平島奈津子 編

通読するようなもんじゃないけど一冊手元にあればレファランスには便利かも。6月発行なので4月の全家連破綻は間に合わず、そのまま記載されている。知っておきたい精神医学の基礎知識―サイコロジストとコ・メディカルのために上島 国利 誠信書房 2007-06売り…

精神科外来/大森徹郎

【購入数】★ 精神科ってどんなところ?怖いところ?って感じの人にちょうどいい精神科医による精神科外来入門。すぐに読めます。精神科外来 (角川oneテーマ21)大森 徹郎 角川書店 2005-02売り上げランキング : 230795Amazonで詳しく見るby G-Tools関連商品 …

精神科医の本音トークがきける本―うつ病の拡散から司法精神医学の課題まで (サイコ・クリティーク 1)/香山リカ 岡崎伸郎

香山先生のいう他責的な「30代うつ」などについての話など。岡崎先生はさすがに心理の資格問題についても詳しい。 故・安克昌先生が田口ランディの後を追って屋久島を訪れたり、スピリチュアルな世界を追求したなどの思いがけないエピソードを読むことができ…

本当は不気味で怖ろしい自分探し/春日武彦 

よくあるアイデンティティ批判(たいてい社会的アイデンティティの確立された人々による)の本かと思ったら、自分さがしの果てに見つけた自分のおぞましい姿というサイコホラー的な本でした。本当は不気味で怖ろしい自分探し春日 武彦 草思社 2007-05-24売り上…

メンタルヘルス・サポート―家庭でもできる あなたにもできる/山本晴義

著者は心療内科医。一般向けのメンタルヘルス本。メンタルヘルス・サポート―家庭でもできる あなたにもできる山本 晴義 労災年金福祉協会 2007-02売り上げランキング : 59819Amazonで詳しく見るby G-Tools関連商品 ビジネスマンの心の病気がわかる本 (健康ラ…

東京大学精神医学教室120年/「東京大学精神医学教室120年」編集委員会

書籍として一般にも販売されるというのがさすが東大医学部という感じです。秋本波留夫、土居健郎、中井久夫、臺弘、加賀乙彦、富田三樹夫、内海健(敬称略)と豪華な執筆陣です。 日本精神分析学会の創生期、中村古峡、患者としての坂口安吾などおもしろいトピ…

脳電気ショックの恐怖再び/水野昭夫

精神医療における電気ショック(療法)の批判、告発の書籍。それはひとつの立場だと思うけど、その一方で、 例えば家族への陰湿な攻撃を繰り返していて、長い引き籠もりに至っているような子供の場合に私は次のような言葉を投げ掛けて強制入院をさせることがあ…

精神科臨床を始める人のために -精神科臨床診断の方法-/中安信夫

すごく薄い本。精神科診断についての講義のレジメをまとめたもののようです。精神科臨床を始める人のために -精神科臨床診断の方法-中安 信夫 星和書店 2007-01-25売り上げランキング : 90841Amazonで詳しく見るby G-Tools関連商品 精神科における予診・初診…

統合失調症からの回復/リチャード・ワーナー

クロルプロマジンなど向精神薬の開発により、統合失調症の治療可能性が大きく開けた・・・という 「歴史的事実」はよく語られることですが、著者は向精神薬の導入が統合失調症の回復率に大きな影響を与えていないこと、退院を促進もしていないことを疫学的な…

「べてるの家」から吹く風/向谷地生良

【購入数】★ 「浦河べてるの家」を支える「公私混同」ソーシャールワーカーの向谷地さんのはじめての単著。 ナラティヴ・セラピーなど学術面を押し出すことはないのですが、外在化や関わりのアイディアが読みやすいエピソードの中に見いだすことができます。…

抗うつ薬の功罪/ディビィッド・ヒーリー

【購入数】★ イギリスの精神科医による抗うつ薬SSRI告発の書。特にSSRIを服用したときの自殺、他殺衝動の高まり、製薬会社による論文のゴースト・ライティング、効果が確認できなくて闇に葬り去られる治験、evidence-biased medicine (エビデンスに歪められ…

刑法三九条は削除せよ!是か非か/呉智英 佐藤幹夫 編著

刑法三九条は削除せよ!是か非か呉 智英 佐藤 幹夫 洋泉社 2004-10売り上げランキング : 47533Amazonで詳しく見るby G-Tools関連商品 言葉の常備薬 ハンディキャップ論 自閉症裁判―レッサーパンダ帽男の「罪と罰」 現代人の論語 狂気と犯罪―なぜ日本は世界一…

刑法39条はもういらない/佐藤直樹

筆者の専門は奥付によれば、刑事法学、現象学、世間学。ドイツ刑法の成立を通じて、日本の刑法第39条「心神喪失者の行為は、罰しない。心神耗弱者の行為は、その刑を減軽する」の廃止を訴える。 刑法39条はもういらない佐藤 直樹 青弓社 2006-06売り上げラン…

狂気の偽装/岩波明

【購入数】★ 著者は埼玉医科大助教授で精神科医。まあ確かにゲーム脳やら、PTSDやADHDの過剰診断には問題を感じますが、逆方向で「正しい」診断を精神科医が特権化するのも似たようなものかと。 境界パーソナリティ障害を扱った章ではO医師として小笠原晋也…

マスコミ精神医学/山田和男 他

黒字に黄色い縁取り、一文字ずつ、青、黄、緑、赤と色を変えた「マスコミ精神医学」というタイトルの表紙が何とも気持ち悪いです。 表紙にはタイトルに小さな文字で「のための」が付け加えられて「マスコミのための精神医学」となっています。こうでないとマ…

絵とき精神医学の歴史/ジェラール・マッセ アラン・ジャッカル ミシェル・シアルディ

フランスを中心とした精神医学の歴史です。副題かなにかに「フランス」をいれるのが親切というものでしょう。絵ときの絵がホイチョイプロのまんがをずっと下手にした感じでおかしいです。 ラカンの師匠だった精神科医のクレランボーは、「ジャック・ラカン伝…

精神病院の底流/富田三樹生

宇都宮病院は精神障害者、ホームレスなど社会から疎外された人々の収容装置として機能したわけだが、そのあり方がまさに精神病院の本質であるとし、天皇制という王権から排除される賤民への治安処分、はては天孫系の神々に排除された土着系の国ツ神の系譜に…

変革は、弱いところ、小さいところ、遠いところから/清水義晴 小山直

自主出版書籍「べてるの家の本」、同じく「べてるの家」のドキュメンタリー・ビデオ「ベリー・オーディナリー・ピープル」の制作に関わり、まちづくり、コミュニティ・ビジネスの仕事を行っている著者によるコミュニティの変革の試みの事例集。もちろん「べ…

悩む力 べてるの家の人びと/斉藤道雄

作者はジャーナリスト。「悩む力」っていうのは「べてるの家」にぴったりかな?とは思いますが、客観的な筆致なのでべてるの家の歴史はよくわかりました。悩む力斉藤 道雄 関連商品 べてるの家の「非」援助論―そのままでいいと思えるための25章 降りていく生…

べてるの家の「非」援助論/浦河べてるの家

浦河べてるの家のことを知ったのは新聞記事か何かで「G&M(幻聴&妄想)大会」(統合失調症当事者の方が自分の幻聴、妄想の内容を語り、すぐれた幻聴、妄想に賞を与えるというもの)のことを読んだときでした。それ以来いろいろなところで目にする機会はあり、…

心は薬で変えられるか/Scott K. Veggeberg

【購入数】★ 一般向けに書かれた向精神薬の歴史とそのメカニズム。写真や図などが多く、さらっと読めます。精神療法の歴史も簡単に触れられています。心は薬で変えられるかスコット・K・ヴェジェバーグ 三田出版会 1998-03売り上げランキング : 1022551Amazo…

他者の狂気/トビ・ナタン

「臨床民族精神医学試論」というサブタイトルが付いています。筆者はフランスの臨床心理学者で「民族精神医学外来」という多民族のための外来を開いてきた人です。民族のエスノはエスノメソドロジーのエスノに感覚としては近く、カタカナにしたいところです…

精神医療 no.42 特集 還ってきたヒステリー

【購入数】★★ 解離の精神病理は歴史的に捉える必要があります。欧米では第一次大戦前の時代の風潮が社会防衛的に閉塞していくにつれて障害者への差別が強化されてくると、ヒステリーは詐病であるとする心因説によって道徳的精神薄弱として人格まで問題視され…

<心の病>をくぐりぬけて/森実恵

【購入数】★ 精神科ユーザーによる統合失調症の発病、入院、そして治癒への体験記録。読売新聞連載をまとめたもの。480円+税というお手軽な価格で、よみやすくまとめられています。“心の病”をくぐりぬけて森 実恵 岩波書店 2006-03売り上げランキング : Ama…

サイコセラピーの部屋/岩井俊明

サイコセラピー入門、松木先生の「私説・対象関係心理療法入門」の間口をもっと広げて、エビデンス・フレイバーを効かせた感じ。「これが正しい」みたいな押しの強さが、前著「逃亡者たち」のような高踏的なネーミングを思い出させて、ちょっと読んでいてし…

偽薬のミステリー/パトリック・ルモワンヌ

筆者はフランスの精神科医。プラシーボ効果についての書籍です。原著は精神分析に対して批判的。世界各国のプラシーボについて例証していますが、中にはかなり怪しいものも。例えば しかしこの薬の国際開発が進むうち、日本ではこのロゴマークを引っ込めなけ…