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統合失調症―患者・家族を支えた実例集/林公一

おとなり日記で知ったのだけれど著者の精神科医林公一氏は「中央公論」1月号に『それはうつ病ではありません 増殖する”擬態うつ病”の波紋』という記事を書いているらしい。まだ記事は未読だけど、そこまで言っちゃっていいのかな。「メランコリー型うつ病」…

統合失調症とのつきあい方―闘わないことのすすめ/蟻塚亮二

精神科医の蟻塚先生ところどころ乱暴だが面白い。往診に入ったときに患者さんがティッシュに包んであった「最中バナナ」を食べ始めたとき、その手に乗るかと平然としてたら、咳き込んで顔に吹きかけられたというエピソードが載っているが、なかなかこうはで…

専門医が答えるQ&A統合失調症/春日武彦

Q&A形式の統合失調症本。奇才の筆者にしてはまっとうな本ですが、ところどころらしさも感じられます。専門医が答えるQ&A統合失調症主婦の友社 主婦の友社 2007-04売り上げランキング : 102312Amazonで詳しく見るby G-Tools関連商品 統合失調症―患者・家族を…

統合失調症へのアプローチ/池淵恵美

精神科リハビリテーションに関する著作。べてるの向谷地さんとの共著論文も。統合失調症へのアプローチ池淵 恵美 星和書店 2006-12売り上げランキング : 169865Amazonで詳しく見るby G-Tools関連商品 統合失調症の治療―理解・援助・予防の新たな視点 精神障…

統合失調症者のヌミノース体験 臨床心理学的アプローチ/松田真理子

健常者と統合失調者、ヌミノース体験と幻覚妄想の事例を比較検討し、宗教のみならない心理臨床的接近を試みる。 目次 第1章 本研究の問題と目的(本研究の目的;無意識について ほか) 第2章 西洋人と日本人のヌミノース体験(記述調査と体験項目分類表から…

幻覚妄想体験の治療ガイド 正体不明の声 対処するための10のエッセンス/原田誠一

【購入数】★ 50ページちょっとの小冊子ですが、幻覚妄想体験を持ち始めた当事者の方にはよいと思います。幻聴への対処法など実際のセラピーでも利用できそうです。 正体不明の声―幻覚妄想体験の治療ガイド原田 誠一 アルタ出版 2002-05売り上げランキング : …

統合失調症者とのつきあい方/野坂達志

内容(「BOOK」データベースより) 「セラピストとソーシャルワーカーの感覚を“統合”すれば、援助能力は高まる」「ユーザーにとれば職域など関係ない。ユーザーにとって最良の支援をすることが第一」とセラピストとPSWの二足のワラジを履く著者によって書か…

統合失調症からの回復/リチャード・ワーナー

クロルプロマジンなど向精神薬の開発により、統合失調症の治療可能性が大きく開けた・・・という 「歴史的事実」はよく語られることですが、著者は向精神薬の導入が統合失調症の回復率に大きな影響を与えていないこと、退院を促進もしていないことを疫学的な…

夢のなか、いまも/宮崎勤

幼女連続殺害事件死刑囚宮崎勤と雑誌「創」編集者との往復書簡。 拘置所ではずっと統合失調症として治療を受けながら、精神鑑定ではパーソナリティ障害として死刑判決を受けるこの矛盾。もちろん彼の行った犯罪は死刑に値するとは思うが、彼の有り様を知ると…

<心の病>をくぐりぬけて/森実恵

【購入数】★ 精神科ユーザーによる統合失調症の発病、入院、そして治癒への体験記録。読売新聞連載をまとめたもの。480円+税というお手軽な価格で、よみやすくまとめられています。“心の病”をくぐりぬけて森 実恵 岩波書店 2006-03売り上げランキング : Ama…

子どもの精神科/山登敬之

第1部 幼児・学童期編(「自閉症」を正しく理解して―自閉症とそれに似た発達障害 落ち着きのない子、乱暴な子、言ってもわからない子…それって病気のせい?―ADHDとLD チックは体質?それとも心の病気?―チックとトゥレット症候群 しゃべれない?しゃべらない?―吃…

わたしの国にようこそ/ローレン・スタイナー

「心は実験できるか」の著者でサイコロジストのローレン・スタイナーの精神科病院を舞台にしたノン・フィクション。短編小説風の6つの作品が収められています。 本筋とは関係ないですが統合失調症の患者が筆者の出身大学がハーバートだと偶然当てるという場…

悲劇の解読/鈴木瑞実

何だか十数年ぶりにラカンのわからなさに直面しています。著作は統合失調症というフィールドで中井久夫先生とラカンが出会ったというような感じかな。ラカンの現実界と背日臼、違ったゼビウスのバグを重ね合わせるところなんかは時代を感じますが。 ラカンの…

「分裂病」の消滅/内海健

デリダなど現代思想がいろいろ引用されて難解です。「精神科臨床とは何か」の明快さがあらためで実感されます。 時間論は面白いな。「夢の分析」のように、近代になって失われた神秘体験としての超越性とは対極に、近代になって初めて生まれた未来感覚として…

臨床心理学 Vol.5 No.6 統合失調症の心理療法

【購入数】★★ 統合失調症の心理療法というテーマも興味深かったのですが、注目は書評欄。 松木邦裕先生の「私説対象関係論的心理療法入門」の書評の担当者が、放送大学の大場登先生。なかなかにくい演出です。かつて大場先生の「ユングのペルソナ再考」の書…

精神障害のきょうだいがいます/兄弟姉妹の会 編

【購入数】★ 精神障害を抱える人たちの苦しみが一番大きいことはいうまでもない。が、精神障害者をきょうだいに持つ人々も、いわれのない偏見を持たれたり、きょうだいの病気の悪化に伴って苦しい体験をしている。この本は精神障害のきょうだいを持った人た…

統合失調症あるいは精神分裂病/計見一雄

【購入数】★ 千葉県精神医療センター所長の精神科医による統合失調症/精神分裂病論。プレッコス・ゲフュールや、エスとかいった精神科系のジャーゴンのなで切りからはじまって、実名での精神病院批判等、けっこう私の好きな罵倒系かしら。 かつて勤めていた…