かつて勤めた精神科病院の病棟にはPSWがいなかったので、心理職ではあったけどPSWの業務も兼務していた。現実的な仕事は大の苦手なので、そんな環境さえなければ、面接室中心の心理としての仕事に疑いをもたなかったかもしれない。
内容(「BOOK」データベースより)
「セラピストとソーシャルワーカーの感覚を“統合”すれば、援助能力は高まる」「ユーザーにとれば職域など関係ない。ユーザーにとって最良の支援をすることが第一」とセラピストとPSWの二足のワラジを履く著者によって書かれた明解で実践的なテクニックと心意気が満載。豊富な事例を元に、統合失調症者とのつきあい方から、薬物治療の基礎知識、心理療法的ノウハウを駆使した面接テクニック、教科書には(たぶん)書いていないソーシャルワークの実務知識、はたまた辞表を出す方法まで、かゆいところに手が届く援助職の必携マニュアル。目次
第1章 私の仕事―“統合”的援助のために
第2章 統合失調症とは
第3章 つきあい方の原則
第4章 実際例から学ぶ面接のコツ
第5章 システムズアプローチというものの見方や考え方
第6章 統合失調症の心理面接
第7章 誌上討論会
第8章 あなたの悩みにお答えします
PSWでありセラピストである筆者の書いた論文は他の論文集で目にしたことがあるけれど、その反骨ぶりは記憶に残り、この本に書かれている保護室にいれられた患者を人権侵害だといって開放したというエピソードを読んで深く納得した。
もともとは精神分析と内観を志した筆者が、システムズ・アプローチに出会う中で身につけたスキルがたくさん詰まっていて、何だか地域精神医療の時代を思い起こして懐かしかった。
ただタイトルの病気を患者の中核とする「〜者」という呼び方はどうか。肯定的な部分に焦点を当てていくという本の趣旨にそぐわないのではないか。
統合失調症者とのつきあい方―臨床能力向上のための精神保健援助職マニュアル | |
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