図書館はだれのものか 豊かなアメリカの図書館を訪ねて/松林正己

 最初にシアトルの話が出てたので浜松とどれくらい規模が違うのかな・・・と思って調べてみた。シアトル57万人、浜松80万人。そしたら後の方にシアトルと旧浜松市、神戸市の比較の表があった。シアトルと併合前の旧浜松市の人口がほぼ等しいらしい。シアトルの蔵書は2004年で212万冊。浜松は115万冊だったが、併合の効果で2005年度には213万冊とほぼ蔵書では追いついた。
 しかし職員数で言うと併合前でシアトルが浜松の9倍。シアトル公共図書館は8階建てで、来館者の利用できるパソコンが400台、各種有料データベースが使用可能、全館無線LAN利用化などなんともうらやましい設備。まあ予算額が旧浜松市はシアトルの10分の一しかないことを考えるとこれでも検討しているのだろうが。
 パソコン関連では、メールによる返却期限のリマンダー・サービスなどは便利そう。誰に対しても開かれた図書館、とは単なる題目ではなく、図書館でもホームレスの人々に対しての就労支援が行われていて、館内カフェテリアの店員はホームレスの人々を雇用している。こういう雰囲気はシアトルの人々の地元志向の強さからも伝わってくるそうで、イチローが気に入るのも何となくわかるなー。
 しかし、それにも増して驚くのは大学の図書館の充実ぶり。ハーバード大学の蔵書が1500万冊で浜松市の約7.5倍。これは日本と比べるのはやめておこう・・・

図書館はだれのものか―豊かなアメリカの図書館を訪ねて
図書館はだれのものか―豊かなアメリカの図書館を訪ねて松林 正己

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