不登校・ひきこもりと居場所/忠井俊明 本間友巳 編著

 「不登校者」、「ひきこもり者」っていう表現には違和感を感じます



 登校拒否(school refusal)の refusal は、本来は、「障害を目の前にしてすくむ、立ちすくむ」という意味であり、 (p.28)
 どなたかの著作の引用のようですが、機械的に引用を続けているともっともらしい嘘を広げることになると思います。ちゃんと辞書を引けばわかるはずですが、確かに "refusal" には「馬が障害物の跳び越しを拒むこと」(ジーニアス英和大辞典)という意味もありますが、「馬」を省略しては問題がありますし、これも馬が障害を「拒否」すると考えるべきです。ロールシャッハ・テストでも "refusal"は反応の「拒否」であって、「すくんでいる」可能性はあっても、イコールではなく、他の可能性も考えられます。
 "Someone's refusal to do something is the fact of them showing or saying that they will not do it, allow it, or accept it"と Collins Cobuild にもあるように本来の意味は外面的な事実としての「拒否」であり、「すくむ」という心情的な理解はむしろミスリーディングでしょう。


不登校・ひきこもりと居場所
不登校・ひきこもりと居場所忠井 俊明 本間 友巳

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