セラピストは夢をどうとらえるか―五人の夢分析家による同一事例の解釈/川嵜克哲 編

 編者の前著である『夢の分析』で取り上げた事例の夢を素材に、編者の理解に加え、4人のセラピストが対談形式で解釈を加えたもの。
 夢の素材は共有されているけれど、事例の具体的な流れや詳細に関しては対談の中で部分的に明かされる。『夢の分析』で事例の詳細を明かさないのは、プライバシーの問題もあるのかと思ったけれど、そういうことではないらしい。編者にとっては夢が関心の中心で、そういう意味では、タイトルにあるように夢分析家という呼称はぴったりだと思う。だけど、これがやっぱり僕には不満。つまり事例から始まるけれど、それは題材にすぎずホピ族だのカミダーリだの一般的なお話の材料になってしまう。ひとりぐらいは自分は夢分析家ではないという人がいてくれたらそれは救いになるんだが。

セラピストは夢をどうとらえるか―五人の夢分析家による同一事例の解釈
セラピストは夢をどうとらえるか―五人の夢分析家による同一事例の解釈川嵜 克哲

誠信書房 2007-09
売り上げランキング : 204613

Amazonで詳しく見る
by G-Tools