ひきこもりはなぜ「治る」のか?―精神分析的アプローチ/斎藤環

【購入数】★★
 講演に大幅な加筆を加えたもので、読みやすいです。ラカンコフート、クライン、ビオンなどの精神分析概念を通してひきこもりについて考察しています。
 著者が前から書いている去勢の肯定的な意味というのがいまいちわからなかったのですが、この本を読んで明確になりました。父になることを断念し、にせのペニスであるファルスに同一化し、実体ならぬ象徴表現の世界に参入するということ。これをひきこもり問題での諦念に重ねているわけですね。

ひきこもりはなぜ「治る」のか?―精神分析的アプローチ (シリーズCura)
ひきこもりはなぜ「治る」のか?―精神分析的アプローチ (シリーズCura)斎藤 環

中央法規出版 2007-10
売り上げランキング : 1861

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

関連商品
ひきこもりの〈ゴール〉―「就労」でもなく「対人関係」でもなく (青弓社ライブラリー (49)) (青弓社ライブラリー (49))
「ひきこもり」救出マニュアル
社会的ひきこもり―終わらない思春期 (PHP新書)
思春期ポストモダン―成熟はいかにして可能か (幻冬舎新書 さ 4-1)
家族パラドクス―アディクション・家族問題・症状に隠された真実 (シリーズCura)