僕も読みたいOED「そして、僕はOEDを読んだ/アモン・シェイ」

OED,Oxford English Dictionary を初めて見たのは高3の夏だった。東京に模試を受けに行った際、友人のお兄さんのマンションに友人と一緒に泊めてもらったんだけど、そのお兄さんが英文学科で Oxford English Dictionary を持っていた。お兄さんの顔は忘れちゃったけど、OEDのあの黒い存在感は覚えている。
 本書はそのOEDを一年かけて読み通した辞書マニアの青年のドキュメント。ぼくも中英和辞典を読もうと思ってたいていAで挫折しているのだけど、OEDは読んでみたい気になる。なぜってすべての語にその語の初出が引用されているんだから、読みもの?としてもおもしろい。こんな辞典は日本にはない。残念ながら。
 しかしそうはいっても"set"の項を30数頁読むとか、un-のついた単語を延々延々読むとかほとんど修行という面もあるね。
 Preantepenult 「最後でもないし、最後の一つ前でもなく、最後の一つ前の一つ前でもなく、その次の」といった意味不明な単語のメモが半分くらい。あとはOEDを読む琴に関するエッセイ。わけわかんない単語ばっかりかというとそうでもなく、業界用語でいったら「iatrogenic 医源性の」なんて単語も載っている。
 PFスタディのローゼンツァイクの"Nemesism"(内に向けられるフラストレーション)なんて言葉は知らなかった。ひょっとするとPFスタディも最初の頃はこんな用語で解説されていたのかもしれないね。

そして、僕はOEDを読んだ
そして、僕はOEDを読んだアモン・シェイ 田村 幸誠

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