「グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ/デイヴィッド・ミーアマン・スコット ブライアン・ハリガン 糸井重里」

 グレイトフルデッドのLPを最初に聞いたのは多分高校生の時で、熊谷にあったカルトな中古レコード屋で確か 3rd LP の "Aoxomoxoa" を買ったんだけれど、「サイケデリック」という括りからなにかスペーシーなものを期待してた自分にとってはちょっと期待はずれなものだった。それでそれ以来デッドとからも遠ざかっていた。
 けれど、今振り返ってみればLPだけ聴いてもデッドの本質はわかっていなくて、Youtube のビデオをDVDにやいてみているようなものだったということがわかる。残念なことに、ほんとうのデッドを体験するためにはそのライブを聴かなければいけなかったのだ。
 ライブの録音可・交換可、チケットの直営販売などの極めてユニークなデッドの経営戦略はインターネット時代を随分前に先取りしていた。
 まあそのビジネスの応用部分はどうでもいいといえばどうでもいいんだけど、デッドというバンドのすばらしさ、演奏の失敗すら売りに変えてしまうしたたかさを知れるという点で、この本は面白かった。カバーもかっこよくて素敵だ。

グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ
グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶデイヴィッド・ミーアマン・スコット ブライアン・ハリガン 糸井重里

日経BP社 2011-12-08
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