「闇の国々」

闇の国々／ブノワ・ペータース　フランソワ・スクイテン

　フランスのコミック、いわゆるBDの人気シリーズ。長編三作。
　書き込みとか日本のコミックの比じゃない。というか挿絵の比重の大きい物語という感じ。途中に絵の代わりに写真がはってあるパートがあるけど違和感がない。
　BD原作者のペータースはデリダの評伝書いているようなインテリ。というか、ジョバンニ・ピラネージの廃墟観を物語の背景に使うなんて、日本だと諸星大二郎なみの重厚さ。
　しかし日本のコミックなら間違いなく主人公は少年。老人を主人公にして、ヒロインも可愛くないのがとってもフランス的。

　原題"les cites obscures"の邦訳が「闇の国々」・・・少なくとも国じゃないと思う。中味的にも。英訳"Cities of the fantastic" 独訳"Geheimnisvolle Staedte"。普通に訳せば「幻想都市」(西村寿光と被る)、「秘められた都市」。複数形を訳したかったんだろうけどね。

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2012年12月19日のつぶやき