大英帝国の女教師―イギリス女子教育と植民地
拙論文、「ゴシック・ガヴァネスとしてのロッテンマイアー嬢」の参考文献。
統計的数値とは裏腹に「余った女」として問題にされ、イギリス帝国の植民地への配分までが大まじめに検討されたミドル・クラスの女性たち。働かないことが美徳とされた彼女たちにとって唯一開かれた職業が女教師、ガヴァネスだった。
ガヴァネスについての基本的知識を得たくて読み始めた本だったが、ヴィルヘルム・シュテーケルが「女性の冷感症」(邦訳あり)で述べ、そしてフリースクールのサマーヒルで有名なアレキサンダー・ニールがヴィルヘルム・ライヒの影響の元で述べた性的体験を持たない女性教師の与える悪影響を語るときにさらに明らかになる、精神分析のもつミソジニー(女性嫌悪)の伝統を取り上げているところが収穫だった。
大英帝国の女教師―イギリス女子教育と植民地 (フェミニズム的転回叢書) | |
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解/加藤智大
秋葉原通り魔事件で死刑判決を受け、上告中の加藤智大死刑囚の手記。検索したらもうすぐ続編の「解+」が出版されるらしい。
本文を読むと「ひぐらしのなく頃に」を彼が見ていたことがわかるので、解決篇とでもいうつもりなのか。
確かにこの本を読むと、マスコミを通じて奉じられた事件の在り方と彼の時に迂遠なほど回りくどく情緒の抜け落ちた語り口のギャップに呆然とするところがある。彼は犯行時の記憶がほとんどないと書いているが、恐らくこれは事実なのではないかと思う。
解 (Psycho Critique) | |
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