「アナキストに煙草を」/「名前のない女たち ベストセレクション」/「Arknoah 1 僕のつくった怪物」

アナキストに煙草を/ミック・ファレン

 先日亡くなったイギリスのサイケデリック・ロックバンド、ディービアンツ(逸脱者達)のフロントマンだったミック・ファレンの自伝。
 ソーシャル・ディービアンツがディービアンツになり、それが分裂してピンク・フェアリーズができるあたりの話はもちろん、ロンドンの有名なサイケデリック・クラブ、UFOクラブにも勤務していたってことで他のいろいろなバンドのメンバーとの交流の話も面白かった。
 たとえばUFOクラブでのピンク・フロイドソフト・マシーンのライブの感想とか、ティラノサウルス・レックスのスティーブ・トゥックつながりでシド・バレットが遊びに来た話とか、ドクター・フィールグッドでインテリでサイコパス傾向のある(?)、ウィルコ・ジョンソンが、教養のないチンピラのブリローと犬猿の仲だった話とか(ウィルコは後にファレンのソロにギタリストとして参加)、プリティ・シングスがいかに凶暴でヤバイバンドだったかとか。またリチャード・ヘルやテレビジョンなどニューヨークのパンクロッカー達の交流。
 イギリスのアンダーグラウンドロックシーンに興味がある人は読むと面白いと思う。でも、よくこんな本の翻訳の企画が通ったね。

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名前のない女たち ベストセレクション/中村淳彦

 「デフレ化するセックス」が面白かったので、同じ著者のAV女優のインタビュー本を読んでみた。
 神経的に消耗する本。カウンセラーという職業柄人生のいろいろな悲惨なことを聞く機会は多いのだが、それにしても絶句する。
 機能不全の家族、父親からのレイプ、ホームレス生活、買い物依存・ホスト依存、何千万単位の借金、そして精神科に通っていたり、自殺未遂したりする人の多いこと。
 セラピーをするにも取りあえずお金と時間が安定していなければ受けられない。こういう人たちはほんとうは大きなニードがあるはずなのに、なかなかきちんとしたセラピーに乗りにくい。売春婦のメンタルヘルスに関わっていたフェレンツィはやっぱり偉いなと思う。

名前のない女たち ベストセレクション (宝島SUGOI文庫)
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2013年10月06日のつぶやき