指示と指導(その4)

 nobuさんのブログへのコメントです。


 また、裕さんのおっしゃるように、法律以前に、職場の業務指示違反で解雇される、
というのが、もっともありそうなことです。
 
 懲戒の処分として解雇は最も重いもので、経営者には雇用者に対して業務を適切に行えるように教育する義務もありますから、解雇というのは経営者にとってもリスクが大きいですね。なるべくなら依願退職(形式上は本人都合による退職で懲戒処分ではない)にしたいというのが、経営者側の本音でしょう。
 病院の組合にかかわっていた時に解雇処分になった事例としては、他の病院も含めてですが、触法行為によって逮捕され、組合の接見によって本人が罪を認めたものぐらいしか思い浮かびません。(冤罪の可能性もあるわけですから)
 懲戒に対しては経営者、労働者側、双方の合意が必要だったので。
 ですから、そんなに簡単に解雇が行われるわけではないと思います。


ただ、法的には、もし医師の指示のほうが妥当でなく、その指示に従った場合に、患者さんに危害を加えてしまう可能性が高い場合には、 従わなかったとしても、違法性は阻却されるはずなんですよね。おそらく。
 危害を加えてしまう可能性というのが具体的にうまくイメージできないのですが、指示内容が不当なものであれば、懲戒処分が不当であるという判断がくだされると思います。


おそらく、解雇されてしまったあとで、
それが違法ではなく、したがって「不当解雇」であることを、
裁判で勝ち取らなければならなくなるのでしょうね。
ただし裁判の場で証明すること自体が、困難でしょうけど。
 不当解雇の判決で職場への復帰が認められる例は、私の知っている範囲で医師でも心理でもありますし、他の職種まで含めれば多くの判例があります。解雇に相当するような行動が経営側の教育にもかかわらず継続したことを経営側が立証する責任がありますからね。



まあ、心理職の場合、裁判沙汰になった時点で、
「もめる人」ってことになってしまい、
理由がどうあれ次の仕事はなかなかみつからないでしょう。
だから、99.9%の人は、そこまではしないでしょうね。
 心理職の不安定な身分を考えるとわからないではないのですが、心理職はもめてはいけないっていうのはやや職業的偏見にまけてしまうようでさびしいですね。昔の宇都宮病院や、廃院になった安田病院のような病院もあるのですから、時には内部告発を含め、戦わなければならない場面はあると思うのですが。