ロールシャッハ図版の公開に関して

 オンライン上のロールシャッハ図版の公開の是非が議論になっています。特に公開すべきだと積極的な意見を持っているわけではないのですが・・
 オンライン上の図版公開が制限されるべきであるならば、ロールシャッハ・テスト関連のテキストは廃盤にして専門家のみの限定配布にしないとおかしいのではないかと思います。教育用であれ何であれ、誰の目にでもふれることにかわりはありません。しかしそうする場合にはユーザーの「知る権利」は保証されなくて良いのかという問いに答えなければなりません。
 また、ウィキペディアの英語版、フランス語版、ドイツ語にはそれぞれロールシャッハ図版が掲載されています。キャプションには、著作権者が亡くなって100年以上たっているので著作権は消滅しているゆえ、この図版はパブリック・ドメインであると記載されています。
 また下記に挙げた親権を持たない親のサポートサイトでは、親権判定の際にロールシャッハ・テストを受けるようにいわれても拒否することを勧め、その根拠としてAPAの「時代遅れのテストを実施すること」が倫理違反になることを挙げています。つまりロールシャッハ・テストの使用そのものが倫理規程違反だという主張です。その上で各図版を挙げて、どのような解釈が行われるかまで踏み込んで解説しています。この主張の妥当性に関しては置くとして、このような立場に対して、どのような根拠で公開停止を求めるかは考える必要があると思います。