心理学史の新しいかたち/佐藤達哉 編著

 第8章 C.R.ロジャーズにみる臨床心理学と精神医学の相克
 ロジャーズがシカゴ大学カウンセリングセンターの所長を務めていたときに、同大学の精神医学科から違法な医療行為を行っているとしてセンターの閉鎖を要求されたときの学長への反論の文章が掲載されていますが、その根拠の一つとしてフォード財団の助成金が認められていることをあげています。そのレフリーが精神分析家のマートン・ギル。意外なつながりにびっくりしました。


 後は骨相学と教育の関連を通じての臨床心理学化批判(やや枚数足りず)、ヴントの再評価、福来友吉の「千里眼」のメディア報道、日本におけるパブロフ学説の浸透など。パブロフ学説を日本に広めたのは慶応大教授にしてミステリ作家の林髞(木々高太郎)だったのですね。そういえばどこかで読んだ気もする・・・
 精神分析の紹介者でもある大槻快尊のことを検索したら、お孫さんがウェブサイトを開設していました。ウェブサイトによればお孫さんはG.I.D.とのこと。
 高木貞治(さだじ・数学者)と高木貞二(ていじ・心理学者)の区別がやっとつきました。

心理学史の新しいかたち
心理学史の新しいかたち佐藤 達哉

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